第706号 子供と同化してしまう
こんばんは。パピーいしがみです。いつもは会員さんからの相談へのお返事や、「こんな変化が起きました♪」という結果報告などをお伝えするのですが、今日は、いつもと違うお話をしたいと思います。
子供が憎いわけじゃないのに、どうしても怒ってしまう。ガミガミ言ってしまう。クドクド言ってしまう。「あれしなさい」「これしなさい」と口に出てしまう。そういうお悩みの方は多いと思います。
もちろん、これってあまりに多すぎると、子供の自尊心を傷つけて「どうせ私なんて・・・」とか、「いつも怒られてばっかり・・・」と感じさせたり、「またかよ」「うんざり」「早く終わって・・・」とただの雑音のようにしか聞こえなくなってしまい、
“何度、同じ事を言っても改善されない”という結果になってしまったり、さらにお母さんの、ガミガミ、クドクド、は多くなり、悪循環にはまっていく・・・というパターンになりますね。
でも、お母さん自身は、子供の為に良かれと思っているんですね。そして「できるだけ怒りたくは無い」とも思っています。ですが「わかっちゃいるけど、止められない」「この気持ちをコントロールできない」そんな思いを抱いている方がほとんどなんですね。(え、あなたもそうですか?^^)
そんな時、私はこんな風にお聞きします。「自分と子供を同化していませんか?」って。私たちは、子供を育てるうえで、何十人もの中から、たった1人・2人の優秀な子を育てたい、とは思っていません。
1人1人が大切で(“優秀”とまでは行かなくても)元気で明るく、楽しく、これからの人生を過ごしてほしい、いろんな困難に打ち勝てるようになってほしい、と思っています。
ですから、苦手な事もできるようになってほしいし、他の子より少し遅いかな?と感じたら、遅れずに追い付いて欲しい、とも思います。
そこで一番基準となりやすい年齢を参考に、「もう○才なんだから、このくらいはできるはず」と感じたり、他の子と比較して、「○○ちゃんは、これができるのだから、この子もできるようにならなくちゃ」のように考えてしまいます。
もちろん、周囲(じじ・ばば)から、同じ様に比較の言葉を言われたりすることも有ります。(周りから言われると焦るんですよね♪)
もし、私たち自身の事であれば、「私は、○○が苦手だな」とか「あの人みたいに、○○ができるようになりたいな」と思ったら、それを練習したり、できるように頑張りますよね。それと同じで、我が子に「○○が足りない」と感じたり、「○○ちゃんのようにできない」「遅れているのでは?」「○歳なのに?」と焦ってしまうと、自分の事のように練習(行動)させる事を選んでしまうのです。
私たち自身は(少し苦手)→(このままじゃいけない)→ 練習しよう!と、プロセスがあって、行動する、という結論に達します。※この(かっこ)で書いた部分は、本人の考えです※
でも子供に「苦手・不足」を感じた時も同じなのです。子供の「苦手」や「できない」を見ると焦ります。「まずい、じゃあ、練習(行動)させなくちゃ」(もしくは「できるようにさせなくちゃ」)と、本人が(少し苦手)→(このままじゃいけない)と、感じていないのに「練習(行動)させよう」としてしまうのですね。
本当は、私たち、と子供達は違う人格で、結論や、行動の前に、それぞれの意思が必要なんですが、それをせずに「練習(行動)を強制してしまう」という形になるのです。
誰だって強制はイヤですから、子供だってそれを押し付けられたり「しなさい」と命令されると、そこに反発を感じたり、不満を感じたりします。
でも、親の考え方は、ものすごく理にかなっているんです。「必要だから、練習するんだ」「できないからできるようにするんだ」それは全く正しいのです。でも、子供がそれを感じていない為に、子供と親の関係に、ひずみが生まれます。
そのひずみが生まれてしまう原因、それが「同化」なのです。「私がこう考えている事は、子供も同じ様に考えているはずだ」「私が“良い”と考えている事は、この子にも良い事なんだ」
これは、冷静になって考えると、「違う人格なんだから、ありえない!」と、誰でも分かるのはずなのですが、でも、私たちは、「遅れているのでは?」「○歳なのに?」と不安になると、
そんな「ありえない」はどこかへ飛んで行ってしまって、必死になって対策(練習・行動)を強要してしまうのです。自分の事と子供の事と“同一”として考えてしまう。これが「同化」なんです。
この「同化」って無意識で起きています。特に女性は、自分の体から子供が生まれて来ていますから、どうしても同化しやすい傾向にあるんですね(^^)
な~んて・・・偉そうな事を言う私ですが、私も、そういう時期があったので、そんな風に悩んでいるお母さんの気持ちが、すごくよくわかるのです。
そして・・・今から20数年前、私が「あ、こう考えればいいんだ」と知った、当時のエピソードをお話したいと思います。私は、それによって、「子供と自分とは違う人格」「親は、その子に合わせて接しなければならないんだ」と知ったのです。
そのエピソードとは・・・天皇家の結婚でした。秋篠宮文仁親王と言ったらお分かりでしょうか?天皇家の次男さんですね。その秋篠宮さまは、1989年、当時の川嶋紀子さんとご結婚されました。
天皇家に嫁げば、もう一般人ではなくなります。普通に嫁に出した父親のように、娘が孫と一緒に帰省する、なんて事はありえません。手塩に掛けた娘が天皇家に嫁ぎ、ほぼ他人になってしまう。簡単には会えない、連絡もとりずらい。そのお父さんって、どんな気持ちなんだろう?私は娘が生まれた時、そんな風に思いました。
そうしたらお父さんである川嶋辰彦さん(現・学習院名誉教授)がこんな風に話されていたと知りました。
子供は神様からの預かりものです。私たちは育てる役目を頂いたのです。私たちは紀子を神様から預かって、ここまで大切に育てました。おかげで立派に成長してくれて、晴れて、この日を迎える事ができました。神様に代わって育てさせて頂き、こうやってお返しできる事に幸せを感じます。のような言葉だったと思います。
(私の印象なので、一字一句が同じではないのですが、そんなお話だったように記憶しています)この言葉を聞いた時、私は大きな衝撃を受けました。「あ、そうか・・・僕らは育てる役目をもらっただけなんだ」「子供は預かっただけだったんだ」
「そう言われればそうだ。だって必ず子供は離れていくもの」「必ず自分は衰えて、お別れの日がくるんだもの」「最初から、お返しする前提で育てているんだ・・・」と。少々、寂しくは思いましたが、とても納得しました。
私が子育てについて、今の考え方になっていったのは、それからだと思います。子供は自分の物ではない、今は預かっているだけ。私たちに与えられた時間は、子供が成長するまでのわずかな間。
だったら・・・社会にお返しするその時までに、自分ができる最善を尽くしたい。縁あって預けられた、この子の持っている力を最大限に引き出してあげたい。そして、一緒にいられる本当に短いその時間を、育てる役目を仰せつかった自分も含め、楽しく過ごしたい♪そんな風に思うようになったんですね。
そして、無意識に子供と同化してしまう・・・そんな自分にブレーキを掛けたり、冷静に離れたり、その子の人格を尊重したり・・・ができるようになったんです。
子供は神様からの預かりものです。私たちは育てる役目を頂いたのです。これを聞いて、あなたはどう思われますか?もし、あなたの「同化」をコントロールする、一助になったとしたら、嬉しいです(^^)
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