第714号 好きだから知りたくなる
こんばんは。パピーいしがみです。
6月になったのに、あまり雨が降りませんね。梅雨が無い、というのは、私たちにとっては過ごしやすくて大歓迎なのですが、作物にとっては、大きなピンチで、今年のお米や、野菜、果物は大丈夫かな~?って心配しています。
梅雨といえば、日本独特ですが、今日はアメリカに住んでおられるチェルシーさんからの、メールをご紹介したいと思います。
チェルシーさんは、日本の大学を卒業後、アメリカでホームステイをして、アメリカを大好きになって、アメリカで結婚され、今もアメリカに住んでおられます。
そんなチェルシーさんから、3年ぶりにメールを頂きました。ご紹介させて頂きますね♪
ココから・・・
たいへんご無沙汰しています。チェルシーです。
パピーさんにこうやってメールをさせて頂くのは、3年ぶりになります。まず、お詫びをさせてください。
3年前、息子の嫌がる日本語学校の勉強についてご相談をし、私が望むお返事と違う事に違和感(憤り)を感じてしまい、「もう相談なんかしない!」と、お返事して頂いた事に対してのお礼すらしていませんでした。本当に申し訳ありません。
あの時、息子がもっと日本語の勉強を一生懸命やってほしい、その為にはどうすればいいのか、をご相談しました。
「日本語を学んでほしい気持ちは分かります。でも、それがトラブルのもとになっているようだったら、強制はおやめになった方がいいですよ」と言われたのですが、私はその真意が理解できず、私と息子との関係はどんどん悪くなっていったのです。
私は、力づくでも息子を変えてみせると、今まで以上に強制し、叱りつけ、命令をしました。
わずか9歳の子供なのに、家の中はめちゃめちゃになりました。2つ下の妹をいじめる。せっかく作った食事につばを吐く。朝は起きず、学校もボイコット、シャワーも浴びない。口を開けばケンカ腰。Fワードを吐きまくる。
まるで憑き物でもついたように暴れ、私も主人も、力で抑えようとしても抑えられない。1年後は、そんな状態になってしまいました。
もう、だめだ。頭を抱えて、どうしたらいいのか、悩みに悩み、ふと思い出したのが、パピーさんから頂いたお返事の内容でした。
あの時、一読しただけで腹を立て、メールボックスに放っておいた、パピーさんからメール。まだあるだろうか?と探しました。
見つけた時には、暗闇に射した一本の光に見えました。(消去しなくて良かった・・・)読み返してみると、パピーさんの言葉には愛があふれていました。
私の事を気づかって、言葉を選んでくださったんだな・・・と言う事がとてもよくわかりました。でも3年前の私は自分に都合のよい言葉を探していたのです。
せっかく日本人学校に通っているのに、宿題もせず、全く勉強しようとしない。そんな息子に、なんとか勉強をさせたい、なんとか日本文化の良さを知ってもらいたい。日本に帰る時には、日本のおじいちゃん、おばあちゃんと、日本語で話しをしてほしい・・・
強い私の要望を叶え、子供が素直に日本を好きなる、素直に勉強をしたくなる、そんな特効薬や画期的な方法を教えてほしかった。
でも、それは私の勝手な希望であり、子供にとっては押し付けでしかなかったんですよね。
はずかしながら、それが分かったのは、子供が手がつけられなくなってからでした。息子はもう10歳になっていました。もう、手遅れかもしれない。でもこれはすべて自分のせいだ。
パピーさんが「いけない」と言われていた、強制・命令・指摘・批判・・・をやってきたせいだ・・・。本当に本当に反省しました。
本当はその時に、もう一度パピーさんにメールをして、お詫びをして、勉強の再開をしたいと思いました。
でも、せっかく親身になってお返事をしてくれたパピーさんを無視した形になってしまった事に、とてもそんなずうずうしいことはできませんでした。
テキストを読み返すと、3年前とは全く違い、そこに書かれている内容が、ぐさぐさと胸に刺さります。子供が悪くなっていく、それは全て私に原因があった。それが痛いほど分かりました。
まず日本語学校をやめました。そして私の期待(日本文化を好きになってほしい)(日本語が上手になってほしい、日本の事を知ってほしい)(日本の勉強をしてほしい)を押し付けるのをやめました。
パピーさんが言われていたように、現地の学校で、同世代の子供たちと元気に明るく育ってくれる、それだけで十分だ!と考えるようにしたのです。
私としては苦渋の決断・・・のつもりでした。これほどの屈辱は味わったことの無いほどの挫折でした。でも・・・息子の様子は、そこから変わったのです。
日本語学校の先生に今までのお礼と、沢山ご迷惑を掛けたお詫びをし、子供には「日本語学校はやめたよ」と告げ、家庭での会話も(今までは日本語を強要していて、日本語を使わない時には、話しかけられても返事をしないでいました)
子供が英語で話しかけてきても今までのような訂正はせず、私も普通に英語で返事をするようにしました。
子供には時間ができ、友達と活発に遊ぶようになりました。バスケットが大好きな息子は、現地の学校の友達と、毎日遊ぶようになり、とても元気で明るくなっていきました。睨みつけるような目もしなくなりました。
それを見た時に「パピーさんの言っていたことは、正しかったんだな」とアドバイスを聞こうとしなかった自分を後悔しました。
もう一度、勉強を再開しよう!私は、メルマガを登録し直して、もう一度、勉強をし直す決意をしました。
それから、約2年。アップダウンはありましたが、息子が、家で暴れたりすることは全くなくなりました。
以前のように、食事につばを吐いたり、私が嫌がるような事をわざとしたり、妹をいじめる事も、全くありません。
そして、何より嬉しいのは、なんと息子が先日、「日本のおばあちゃんと話しをしてみたい」と言いだしてくれたのです。
私は時々、子供たちの様子をユーチューブにアップして、子供たちが今、どんな様子なのかを、なかなか会うことのできない、実家の両親に報告をしていました。
子供たちが実家の両親に会ったのは、とても小さいころですが、子供たちもおぼろげながら覚えていたようです。
両親達はとても喜んでくれていましたが、子供たちは、両親達の様子が分かりません。そこで息子がこう言ったのです。
「スカイプだったらテレビ電話ができるんだよ」息子は学校で授業でやったスカイプで、世界の人と話しができる、その経験をした事に、とても感激したようで、
「自分にも遠く離れた日本に知り合いがいる!」「おじいちゃん、おばあちゃんと話をしてみたい!」とそう思ってくれたようなのです。
これも、パピーさんが仰ったとおりになりました。パピーさんはこうお返事くださいましたね。「お母さんとの関係が良くなれば、かならずお母さんの国に興味を持つ」
これが本当になりました。もう嬉しくて泣きました。諦めていたことなので、本当に嬉しくて・・・。
もうこれは恥ずかしいなんて言っていられない。先を見据えた洞察力、私を導いてくださったその愛に心から感謝して、また不義理をしてしまった私を許してほしいと、今回、恥を忍んでメールをさせていただいた次第です。
あの時は、本当にありがとうございました。ですが失礼をしてしまい、申し訳ありませんでした。心から、お詫びをさせて頂きます。
今回の息子からのスカイプの提案。今はその話で家の中は持ちきりです。実家ではネット環境はできていますが、もちろん両親はスカイプなど知りませんし、カメラなどの備品もありません。高齢な両親にはセッティングもムリでしょう。
なので、今年の夏、家族で実家に帰り、主人や子供たちに日本の夏を楽しんでもらいながら、スカイプのセッティングをする事になっています。
息子もノリノリで「僕がセットしてあげる」なんて言ってくれています。こんな日が訪れるなんて、まるで夢のようです。
メルマガを拝見すると、パピーさんも変わらず忙しそうですね。どうぞ、お身体に気をつけていつまでも元気でいてくださいね。
そして・・・もし、よろしければ、また何かあった時には相談させて頂けたら嬉しいです。
ココまで・・・
チェルシーさんからのメールを頂いて、本当にびっくりしました。というのは、私はちっともチェルシーさんの不義理なんて感じていなかったし、お返事の後、そんなに困っておられた事も、また遠慮して相談を我慢されていた事も知らなかったからです。
でも・・・結果だけ見ると、もしかしたら、それが良かったのかも?とも感じました。「必要にして善だった?」「雨降って地固まったかな?」って。(でも相当大変だったと思います。よく頑張りましたね♪)
それにしても・・・息子さん、良い所に気が付きましたね。スカイプですか~(^^)私も今、業者さんとの打ち合わせでスカイプを使っていますが、静岡にいながら福岡の業者さんと話をします。
考えてみれば、ネットは世界共通ですから、アメリカと、日本もスカイプでやり取りできるんですよね♪(それも無料で(笑))
これなら、日本に帰らずとも、子供たちとおじいちゃん、おばあちゃんと会話ができそうです。
子供たちはもっともっと日本に興味を持つかもしれませんね。すごいコミュニケーションツールができたものです♪
それと・・・当時、あれだけ心配していた、息子さんの様子が、こんなに良い方に変化するとは、私も思っていませんでした。
ちなみに、日本語学校の事について、多くの方がご存じないと思いますので、ちょっと説明しますが、
海外の主要な国には、海外勤務をしたり、海外で結婚をした日本人のご家族の子供たちに対して、日本語学校で勉強できるシステムがあります。
これは、海外に数年在中し、日本に帰って来た時、子供たちが学校で困らないように、その年齢に応じた学習内容を、海外でも受けられる、という素晴らしいシステムです。
ところが、現地には現地の学校があり、子供たちは現地の学校に通いながら、現地の学校の休みである、土曜日などに日本語学校にも通う、という、子供たちにとってはかなり負担が大きい状態になっているんですね。
おまけに、日本で1週間掛けて学ぶ量を1日で習得しなければ、日本の学校の進み具合についていけません。
ですから、どうしても宿題が多くなり、その宿題をこなすことが、とても大変で、この日本語学校の宿題を起因として、子供と親の関係が悪くなる、と言うケースがけっこうあるのです。
これが1年、2年で、海外勤務が終わり、必ず日本に帰国する、というのであれば、何とか子供たちにも頑張ってもらい、お母さんも、もう少しの辛抱と、我慢してもらえたら・・・と思うのですが、
チェルシーさんのお宅のような、アメリカ人の男性と国際結婚をして、アメリカに永住する形になっておられる方については、
「お母さんと子供の関係が良くなれば、必ず、子供はお母さんの母国に興味を持つようになりますから、ムリをしないで、まずは子供との良い関係を目指してください♪」とお願いをします。
でも、私達は日本人です。私も、この日本文化が好きですし、子供にも日本が好きになってほしい、と言うお気持ち。それも、すごくよく分かるのです。
でも・・・それは日本で育った私達の気持ちです。強制をしてしまうと、その良し悪しに関係なく、“強制された事について反発をしたくなる”んですね。
そう。海外で生まれ、育った子供たちに、私達の気持ちを分からせるのは、やはりまだちょっと早いんですね(^^)。
でも、本当にこれだけは言えるのです。「人は好きになった人の事をもっと知りたくなる」だから、まずは子供との関係を良くしてもらう。
「お母さん、大好き」になれば、必ず、子供はお母さんの母国に興味を持つのです。
チェルシーさんのお宅も、順風満帆ではなかったけど、結果的にとても良い関係に向かえそうで良かったです♪
もちろん、勉強の再開も大歓迎ですし、お兄ちゃんがこれから、ティーンエイジャーに向かうことで、きっと違ったお悩みも生まれるでしょう。
なので、もちろん、ご相談してくださっても結構です♪どうぞ、ご遠慮なく、ご連絡くださいね。もちろん、私は不義理・・なんて思っていませんから(^^)
日本のご実家と、アメリカとのテレビ電話。
早く現実になるといいですね♪ステキなご報告、ありがとうございました。
あ、最後に・・・これは「海外の話」とは思わないでくださいね。「人は好きになった人の事をもっと知りたくなる」これは、老若男女・世界共通ですから(^^)
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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