第737号 おもちゃの貸し借り
こんばんは。パピーいしがみです。
今日のメルマガは「おもちゃの貸し借り」についてです。
以前、フウモさんから 「子供がおもちゃの貸し借りができなくて困っています。どうしたらいいでしょう?」とご相談いただいていました。
2歳・3歳ぐらいのお子さんがいらっしゃれば、 きっと同じぐらいのお子さんと遊んでいる時に、おもちゃを貸したり借りたり、ということがありますよね。
フウモさんのお子さんは、自分のおもちゃを貸すことができなかったのだそうです。
フウモさんは、周りのお母さんの手前、お子さんが「嫌だ」「貸したくない」とあまりにも駄々をこねるので、我慢できず強く怒ってしまい、そのあとも、家でこってりお説教をしてしまったそうです。
『自分より小さい子が貸すことができるのに、どうしてこの子はいつまでも貸せないんだろう?』
自分の子供が人から貸してもらっても、自分からは「貸したくない」とガンとして譲らなかったとき、あなたはどうされますか?
今日はそんな「貸し借り」についてのご紹介です。まずはフウモさんからいただいたメールをご紹介します。
ここから・・・
パピーさん、こんにちは。フウモです。いつも、フォローメール、メルマガ、ありがとうございます。また、毎日更新されるブログでも毎朝癒されています。ありがとうございます。
今日、メールさせていただいたのは、おもちゃの貸し借りができない次男のことです。
つい先日、私と次男で砂場で遊んでいるとき、同じマンションの子供たちがお母さんと降りてきて、3人で遊ぶことになりました。
それぞれみんな、砂場セット(バケツやスコップなどがセットになっているものです)を持っているのですが、ほかの2人はそれぞれ新品を持っています。
次男のものは長男のお下がりで古ぼけて、壊れたりちょっと欠けたりしています。次男は新しい砂場セットを使いたくて、自分の物があるのに、その子達の道具を断りもなく使います。
わたしは「借りたい時には黙って使わないで『貸して』とお願いして『いいよ』と言ってもらったら使わせてもらうんだよ」と言っていますが、なかなかできるようになりません。
それだけならまだいいのですが、 次男は、他の子からはそうやって借りるくせに、自分のものは絶対に貸そうとしないのです。お友達が『これ貸して』というと「いやっ」と言って絶対拒否です。
その日もそうでした。 次男のバケツは他の子のものよりも少し大きいからか? Kくんが「貸して♪」と言ってきました。Kくんは、いつもおもちゃを貸してくれるし、バケツは使っていないので(貸してあげられるかな?)と思って見ていたらいつものように「いやっ」と。
私もいつものように「○○、あんたいつも借りてるでしょ。今、使っていないんだから、貸してあげなさい!」と言ったら「使ってるもん!」と言って、スコップを放り投げてバケツを持ちました。
私はそれを見て、カチンと来てしまい、「なんであんたはそんなに意地悪なの?」「じゃあいいよ、このスコップを貸してあげな!」と言って「Aくん、このスコップで我慢してくれる?」とスコップを渡そうとすると、「あ~ダメ~、僕、使ってるじゃ~ん」と大泣きです。
周りのお母さんたちからの冷たい視線を感じて、 私はその場所にいられなくなり、大声で泣いてる子供の手を引っぱりイライラしながら家に帰り帰ったその場で泣いている次男をひっぱたいてしまいました。そのあとも泣いている息子にこんこんと説教です。
次男はさらに号泣、私も「やっちゃった」と思ったのですが、イライラは収まらず、もうほうっておきました。そして・・・なんでいつもこうなっちゃうんだろう?と自己嫌悪です。
パピーさん、どうやったら、子供が貸し借りができるようになるのでしょうか?いい方法があったら教えていただけますか?よろしくお願いします。
ここまで・・・
と、こういうご相談でした。フウモさんのお子さんは、今年の12月で3歳になる、ということでしたので、その頃は2歳と8ヶ月ぐらいの年齢だったかと思います。私はこんなふうにお返事しました。
ここから・・・
フウモさん、こんにちは。パピーいしがみです。メール、拝見しました。次男さんがおもちゃの貸し借りがまだできない、ということでしたね。
どうやらフウモさんからすると「自分より小さい子ができるのに・・・」という思いと、ほかのお母さんからの視線が気になるみたいですね(^^)。
でも、フウモさん、私は次男さんはえらいと思いますよ。それは、ほかの子達が新品の砂場セットを持っているのに、次男さんは、お兄ちゃんのお古で我慢していることです。
きっと「新しいのを買って」と言ったこともあると思いますが、それでも、お兄ちゃんのお下がりを使っているのは、「えらいな~いい子だな~♪」って思いました。
あと、貸し借りができない、ということですが、今、次男さんの年齢は2歳半を過ぎたところ・・・でしたね。とすると「できなくて当たり前」だと思います。
また、お兄ちゃんがいましたから、小さい頃には、自分のおもちゃをお兄ちゃんに取られたり、勝手に使われたりしたこともあったと思いますし、自分のものは自分で守る、という気持ちもあると思います。
もちろん「もっと思いやりを持って欲しい」というフウモさんのお気持ちはわかりますが、「思いやり」の気持ちを持てるようになるのは、もう少し年齢が行ってから、だと考えてください。
でも、少しでも早く気持ちのいい「貸し借り」ができるといいですね。
ですから、今は「できなくてもいい」ですが、近い将来に「できればもっといい」になってもらうために、こんな風にやってみていただけますか?
今までは、次男さんが「ダメ」「貸さない」って言うと、フウモさんが「貸してあげなさい」の様に言われていましたね。また「どうしてあなたはそんなに意地悪なの?」って叱ってもいたようです。
それを「ダメ、貸さない」って言ったら、「貸して」と言った子に「ゴメンネ、貸したくないんだって」って言って、次男さんには「貸してあげなさい」との無理強いはしないようにしてみてください。
それは“子供の意見を尊重した”ということでもあるのです。
フウモさんのお考えの中に「みんなより大きいのになぜできないの?」という気持ちがあると思います。
でも逆に(他の子たちは)小さいからこそ親に従順にしたがう、って事もありますし(他のお友達が一人っ子なのか(下の子がいるのかはわかりませんが)
いつも自分だけでおもちゃを独占できている子や物であふれている環境にいる子の場合、物を手放すことに抵抗の無い子も多いです。(その場合、物を大切にできない、という問題も起きやすくなります)
それを考えた時、自分の物を守ろうとする、次男さんの行動はとても自然ですし、私からすると「いやだ」と自己主張ができる事は、とてもいいことだと感じています。
ただ、それを踏まえたうえで「貸し借り」が上手にできれば、それに越した事は有りません。
なので、まずフウモさんにお願いしたいことは、 次男さんの場合は「まだできなくていいんだ」と思っていただくことです。
本人より小さい子ができるのに、大きい子ができない、や、一人だけ「貸さない」が通ると、傍若無人な態度に見えたり、他のお母さんの目が気になるかもしれませんが、そこは未来の次男さんのために、ちょっと我慢してください。
フウモさんご自身が「まだできなくていいんだ」と思えたら、次に、
もし自分から「いいよ」とか「これ、貸してあげる」って言えたら、もしくは譲ってあげる事ができたりしたら、たくさん褒めてあげて欲しいのです。
出来ない事がマイナスではなく、できる事がプラスなんですから、マイナスを叱るのではなく、プラスを褒めるようにするんですね。
一度、その「褒められた」を経験すると、それがニ度、三度・・・と増えて行き、しだいに上手な「貸し借り」ができるようになると思いますよ♪
親が強制したり、無理やりやらせるのではなく、子供ができるのを待ち「できたら褒める」をするんですね。そんな感じで、やってみてくださいますか?
ここまで・・・
そのあと、しばらくはお返事がなかったのですが、数日前にこんなメールをいただきました。
ここから・・・
パピーさん、こんばんは、フウモです。
以前は丁寧なお返事をありがとうございます。お礼が遅くなってすみません。
パピーさんから、「あえて貸し借りができるように強要しなくていい」「今は、できなくていいんだ」「できたら褒めてあげればいい」と教えていただいて安心しました。
私は、他のお母さんの手前もあるし、ウチの子だけが身勝手に見えてすごく不安だったのです。でもパピーさんが仰るように、他のお友達はみんな一人っ子で、おもちゃをたくさん持っている子たちです。
(一人のママからは「ウチの子は物を大切にしなくて困る」って相談された事がありました)
ですから、パピーさんの“おもちゃを独占できている子や物であふれている環境にいる子の場合、物を手放すことに抵抗の無い子も多いです。(その場合、物を大切にできない、という問題も起きやすくなります)”は、とても納得できました。
次男の「できない」にはそんな環境の違いもあったんですね。納得です。
安心できた私は、翌日からやってみました。 いつものように「いやっ」という次男に(本当はまだイラッとしたのですが) 叱ることをせず、お友達には、「ゴメンネ、貸したくないんだって」と言ってみました。
やっぱりすぐには貸してあげられるようにはならなかったのですが、面白い事に次男は、私が他の子に「ゴメンネ、貸したくないんだって」といってお友達の「貸して」を断るとびっくりしたように私の顔を見たのです。
いつも「貸してあげなさい!」と、ヒステリックに怒っていた私しか見た事がなかったので、驚いたようです。
でも、その日はなんだか妙に素直で、ご飯も、お風呂も、時間どおり。とてもスムーズに事が運び、なんと眠る前に絵本の本読みまでできました。久々の穏やかな1日でした。
昨日と今日、何が違ったんだろう?と考えると・・・やっぱり「ゴメンネ、貸したくないいんだって」と次男を否定せず肯定した事しかありません。「認める、ってこういう事なんだ・・・」と、私にははかなり衝撃でした。
その後も、頭ごなしで叱るのではなく、子供の気持ちを聞くようにしたり、私の押し付けではなく「そうなんだね。分かるよ」「でも、こうしてくれないかな?」のように言ってみると、素直に聞いてくれる事が増えてきました。
「この頃、○○くん、落ち着いてきたね・・・」とK君ママに言われたころ、なんと次男は、自分のおもちゃを貸してあげる事ができたのです。
まあ言葉は「んっ」でしたらが、自分の物を差し出す事ができたのです。私はそれだけですごく嬉しかったです。
「えっ、今、貸してあげたよね♪」 それを見た時には感動しました。
パピーさんがたくさん褒めてあげて♪と言ってくださったことも忘れ、本当に嬉しくて「すごいね~貸してあげられたね」「ママ、すっごくうれしいよ~♪」って頬ずりしてしまいました。
次男は、恥ずかしながらもまんざらでもない顔をして、それから少しずつ、貸してあげる、代わってあげる、ができるようになってきました。
ブランコなどもなかなか代われなくていて、私が強制的に命令して(子供は大泣きで)無理やり交代させていたのですが、ブランコや滑り台でも、譲ってあげたり、仲良く遊ぶことができるようになってきました。
もちろん、そのたびに喜びを伝えています。今では「ママ~、今、替ってあげてきた♪」
と報告もしてくれます。もちろん「すごいね~♪」「喜んでいたでしょう~(^^)」って褒めています。
そんな嬉しいことがありながら、 ぱぴーさんにお礼の返事もご報告もしていなかったのですが昨日のテレビでまさに、うちの場合と同じことを話していたので「あっまだお礼も言ってなかった」と思い出し、急いでメールを打っている次第です。すみません。
その番組は、さんまさんと、偉い先生方との討論会みたいな形式で、毎回とても面白くためになる話が出るので大好きなのですが、子育ての尾木ママさんの話しがパピーさんの言われている事にとても良く似ているので 「そうそう、そうなんだよね~」なんて思える自分が嬉しいです(^^)。
今回は、「貸し借り」について討論されていて、(これは親子心理の先生だったのですが)パピーさんと全く同じことを言われていたので驚きました。
例えば・・・
「躾なんてする必要はない」「躾を身につけさせたかったら親がそれを見せてあげればいい、手本になればいいんです」(これも全く同じですよね♪)
そして、先ほどの貸し借りについても「幼少期では、自分のものを貸せなくて当たり前」「それより「嫌」って言える自己主張ができる事の方が大事」「自己主張ができなくて親のいいなりになっている方が 問題を持っている可能性が有る・・・。」
のような事も仰っていました。先生方はなぜそうなのか?をデータや検証の結果を踏まえて説明してくださるのですが、それを聞いていた多くの芸能人の方々が「え~っ」とか「なるほど~」深くうなづいている姿を見て、
私はパピーさんから教えてもらえたけど、世の中の「常識」や、私達が考えている「普通」って、(私も含め)間違っている事が多いんだな~と考えさせられました。
あ~、やっとご報告できました。
いつも忙しい、忙しいで、自分の都合の良い時にばかりご相談をさせてもらってすみません。少し滞っている勉強も、また再開させて頂きます。
又、メールをさせて頂いてよろしいでしょうか?困った時にはパピーさんがいてくれる♪と思うと心強いです。これからも、どうぞよろしくお願いします。
ココまで・・・
フウモさん、ステキなご報告、ありがとうございます。次男さん、上手な「貸し借り」ができるようになったんですね。うれしいな~♪それは良かった(^^)
でも、それ以上にフウモさんには、大きな「発見」が有ったようです。
“その日はなんだか妙に素直で、ご飯も、お風呂も、時間どおり。とてもスムーズに事が運び、なんと眠る前に絵本の本読みまでできました。久々の穏やかな1日でした。
昨日と今日、何が違ったんだろう?と考えると・・・やっぱり「ゴメンネ、貸したくないいんだって」と、次男を否定せず肯定した事しかありません。「認める、ってこういう事なんだ・・・」と、私にははかなり衝撃でした。
これは私たちも同じなのですが、自分の事を認めてもらったり肯定してもらえる相手には、自分も相手を認めようとするんですね。お互いに距離を縮めようとするので、急激に関係が良くなります。
でも、良かったのは、フウモさんがそれだけで満足せず、その「気付き」を他の事にも応用してくださったことです。
“その後も、頭ごなしで叱るのではなく、子供の気持ちを聞くようにしたり、私の押し付けではなく「そうなんだね。分かるよ」「でも、こうしてくれないかな?」のように言ってみると、素直に聞いてくれる事が増えてきました。”
はい、良いですね~。強制や命令(否定の言葉)が減って、肯定が増えている~♪って感じがしますよ(^^)
是非、これからもこのいい感じ、お続け下さいね♪きっといろんな面での次男さんの成長が感じられるはずです。わざわざのご報告、ありがとうございます。メルマガへの掲載のご許可も、ありがとうございました。
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