第788号 必要とされた時
こんばんは。パピーいしがみです。今日のメルマガのタイトルは「必要とされた時」としました。これは、もしかしたら、経験された方も多いかと思います。
チームで必要とされた時、人は、力を発揮します。でも『お前なんか要らない』と言われた時、やる気やテンションは一気に下がり、力を失います。
もし、子供が家庭内で、「お前なんか要らない」と育てられたらどうでしょう?いえ、逆に「あなたが必要なんだ」と育てられたらどうでしょう?
今日は、5歳の男の子の変化に、その「必要とされる」重要性を感じて頂けたらと思い ます。
ココから・・・
パピーさん、こんばんは。keiママです。私は、5歳(男)と1歳(女)の2人のママです。娘を産んでから離婚をして、今、シングルマザーです。
パピーさんの事をネットで見つけて、勉強を始めたばかりですが、どうしても悩んでいることがあって、御相談させて頂きました。
私、上の子が憎らしくてしょうがないのです。下の子を生む前は、可愛かったです。初めて自分の子供を抱いたとき、こんなにもわが子は可愛いの?と驚きました。
「いつまでもいつまでも、この子を大事にするんだ!」と思ったはずなのに、下の子が生まれてから、(寂しいのは 分かりますが)とてもわがままになり、トラブルが増えてきました。
保育園でも毎日問題を起こしています。喧嘩をしたり、先生に唾を吐いたり、砂を投げたり、脱走したり。
保育園からの連絡帳には、毎日お小言が書かれています。問題児。トラブルメーカー。お荷物になっています。家でも、罵声と泣き声が飛び交い、長男が起きてから眠るまで、落ち着くときは在りません。
夜中に長男の首を絞めてしまいたくなったことも、一度や二度ではありません。このままでは、子供を殺してしまうかもしれません。そんな自分を恐ろしく思います。
パピーさん、私はどうしたらいいのでしょう?私の向かうべき道を教えていただけませんか?お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
ココまで・・・
このメールを頂いて、すぐに何度か、メールのやり取りをさせて頂きました。お母さん、ご自身が追い込まれてしまった場合、お1人で頑張るのではなく、ご両親がご健在なら、ご両親に少し手伝ってもらうことで、まずは落ち着きを取り戻し、足元を固めてもらい、少しずつ、子供たちとの関係を修復してもらうのが一番良いのですが、
keiママさんは、結婚される時も、ご両親に大反対されて家出同然で家を出た手前、ご実家に頼る事はできない、とのお気持ちがありました。
でも、keiママさんには、1つの強い信念がありました。「私は、絶対に、この子たち2人とも育てる!」それはとても力強く、その言葉に母の強さを感じましたし、その言葉を聞いて、私も、「では、辛いことも多いと思いますが、一緒に頑張りましょう」とお返事しました。
でも・・・誰でもそうだと思います。自分以外に頼る人がいない中で、やることなすこと、上手く行かない。壁にぶつかる・・・。そんな時、すごく不安になるし、冷静ではいられません。
イライラすると、そのイライラをぶつけたくなるし、疲れて帰ってきた家でもギャーギャーされると、落ち着く暇も ありません。
keiママさんは、そういう状態だったんですね。でも、実は、お兄ちゃんも、同じだったのです。お母さんとお父さんが離婚された。
きっとその前から、お父さんとお母さんの喧嘩を見ていたでしょうし、とても不安で怖かったと思います。そして下の子が産まれ、お父さんが出て行った。
赤ちゃんは、大きな声で泣き、自分は甘えられなくなった。お母さんは、イライラしているし、いっぱいいっぱいになっている。お兄ちゃんも、頼る人がいなくて、不安で・・・いつも恐怖で震えていたんですね。
keiママさんには、お兄ちゃんの気持ちをお話ししました。そして「私が頑 張らなきゃ!」と思われているkeiママさんに、「もっとお兄ちゃんを頼っていいんですよ」とお話ししました。こんな風に・・・
ココから・・・
keiママさん、だんだん分かってきました。今、keiママさんは、保育園でトラブルだらけのお兄ちゃんを、なんとか直して、良い子にしなきゃ、もっとみんなと仲良くできるようにさせなきゃ!ってお考えですよね?
でもね。今、必要なのはそれではないみたいです。いえ、保育園からは「ああしてください」「こうしてください」「もっともっと」という要望はあるでしょう。
でも、一日の中で、子供との時間がどうしても取れない 、keiママさんが、直そう、正そうと厳しく接するのではなく、「子供と過ごすわずかな時間」こそ、子供との“関係を修復する時間”に変えて欲しいのです。
例えば、keiママさん、保育園のお迎えの後、買物に行かれる時が多い、とおっしゃっていましたね。その時、お兄ちゃんが、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、keiママさんは、怒ってばかりいる、と書れていましたね。
でしたら、その時に、ベビーカーやカートを押してもらったり、荷物を持ってもらってください。そして必ず「ありがとう」を言うようにしてください。少しでも手伝ってくれたら「助かったよ」って、言葉を掛けてあげてくださ い。
それは保育園の「もっと厳しく接してください」や「ご家庭でもきちんと注意してください」とは、逆の方向に向いているように感じるかもしれませんが、お兄ちゃんの問題は、多分・・・「僕はお母さんに嫌われている」という意識だと思いますよ。
お父さんがおられない、ご家庭で、お母さんに嫌われたら、子供は不安になりますよね。お兄ちゃんのトラブルは、そんな不安から生まれていると思います。子供に不安があると「それを取り除かなきゃ」って思います。
もちろん不安を取り除くことは大事ですが、もっと大事な事は、それ以上の喜びを感じることなのです。お父さんが居ない、 お母さんとの時間も少ない。保育園では先生から叱られる。
でも、もし、そんな中で、「僕はお母さんから必要とされている」という気持ちが芽生えたら、それは大きな「満足」や「喜び」になると思うのです。
keiママさんのご家庭には、お父さんがおられません。だから、ご自分が頑張らなきゃ!というお気持ちになるのは分かります。とっても立派な心がけです。
でも、ちょっとお兄ちゃんに頼ることで、子供は「あ、お母さん、僕を頼ってくれた」「僕が必要なんだな」って感じるのです。自負心を持つのですね。
そうそう。私がまだ小さいころ、父の勤める学校では宿直 があって、月に何度か、父が家に帰らない、という事がありました。
その時、母から、「今日は、お父さんが帰ってこないから、あなたが小さいお父さんね」と言われたことがありました。
もちろん、幼児が「お父さんの代わり」など勤まるわけもないし、何をするのでもなかったのですが、母の「小さいお父さん」と言ってくれたことが、何とも誇らしく、嬉しかったのです。
確かに、今、お兄ちゃんは、トラブルメーカーかも知れません。「問題児」として扱われているかもしれません。
でも、だからと言って、それを直そうとするのではなく、「それはそれ、保育園にお任せしよう」と考え、家庭では 、少ししかない「ふれあいの時間」を、「ありがとう」や「助かった」のような「存在を認める時間」にしてみてください。
お1人で頑張ろうとせず、ちょっとお兄ちゃんにも、頼ってみてください。私は、きっと変化があると思いますよ♪
ココまで・・・
と、このようにお返事をしました。それからも、何度かやり取りを重ねてきましたが、少しずつ、トラブルが減ってきたようでした。そして、約半年ほどたった時、こんなメールを頂きました。
ココから・・・
パピーさん、こんばんは。お久しぶりです。keiママです。この頃、ご報告がなかなかできずにすみません 。パピーさんから、息子のことをもっと頼っていいんですよ、とメールを頂いてから、「ありがとう」や「助かる」を言うように頑張ってきました。
それまでは、イライラして、怒ることしかしていなかった私ですが、不思議ですね。すごく(私の)気持ちが安定しているのです。
パピーさんのメルマガだったと思います。パピーさんの言葉に、怒りは自分自身も傷付ける・・・とあったと記憶していましたが、今までの私は、私自身を傷つけ、自分で自分を苦しめていたようです。
そして・・・息子ですが・・・パピーさん、聞いてください。先日、先生から言われたのです。「お母さん、 この頃何か、大きな変化がありましたか?」って。
「どうしてですか?」と聞きましたら、あれだけ荒れていた息子が、明るくなって、落ち着いて、その変化に、幼稚園の先生の中で話題になっている、と言うのです。
園長先生も、園での取り組みに何か良い点があったのでは?と先生達にヒアリングをされたらしいのですが、特に大きく変化をすることをしたわけでもないので、家庭面で取り組んだことがあったのなら、是非、参考の為に教えて欲しい・・・と言われたのです。
私は、本当に・・・涙が出るほど嬉しかったです。パピーさんに「きっと変化があると思います」と言ってもらって、今まで頑張 ってきて、この頃とても言い感じだな~と、思ってはいたのですが、
保育のプロの先生達が、話題にするほど大きな変化だったんだ、と聞いたときには、教えていただいけた事に、もう、感謝しかありません。本当にありがとうございました。
そうでした。パピーさんにはご許可を頂かなかったのですが、パピーさんから頂いたお返事を、先生達に見ていただいて、「私は、これだけをやってきました」とお話しをしました。(よろしかったでしょうか?)
先生達は、驚かれたようなお顔でしたが、園長先生は、とってもニコニコしてうなづいておられました。(本当は、先にご許可を頂かなければいけなかったで すね。申し訳ありません)それからと言うもの、先生達の厳しさが、ちょっと変化したようにも感じます。
でも、おかげさまで、息子は、とても良い感じで、「保育園、楽しい!」って言ってくれています。又、ご報告させて頂きますね。今回は、とても貴重なアドバイスを、ありがとうございました。
ココまで・・・
keiママさん、ご報告をありがとうございました。息子さん、良い方向に向かってくれて、本当に良かったです。それもkeiママさんの強い信念の賜物です。よく頑張りましたものね。これからもどうぞ、お続けくださいね♪
それと・・・保育園の雰囲気が ちょっと変わった?のでしょうか?“そうでした。パピーさんにはご許可を頂かなかったのですが、パピーさんから頂いたお返事を、先生達に見ていただいて、「私は、これだけをやってきました」とお話しをしました。(よろしかったでしょうか?)
先生達は、驚かれたようなお顔でしたが、園長先生は、とってもニコニコしてうなづいておられました。(本当は、先にご許可を頂かなければいけなかったですね。申し訳ありません)”とありましたが、大丈夫ですよ(^^)
皆さんの参考になれば、私も嬉しいです♪でも、さすが園長先生ですね。きっと園長先生は、分かっておられたのだと思いますよ。
そして、他の先生達にも、ただ「厳しくする」のではなく、子供一人ひとりを「認め」ることの大事さを、教えてくださったのだと思います。
でも、息子さんが明るくなってくれて、本当に良かった。どうぞ、これからも大事な「三人家族のメンバー」として、接してくださいね♪もっともっと力を付けてくれると思います(^^)
もっともっと力を付けてくれると思います(^^)
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