第790号 必ず来る未来
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は11月30日。今年もあと1ヶ月ですね。早いものですね~♪早いもの・・・と言えば、私もこの仕事を始めて、すでに10年が経過し、来年で12年目になります。
そうすると、今までに学んで下さった方の中で、お子さんが成人される方や、大学を卒業する方がおられまして、ご報告を頂くことが増えてきました。
そんな中、先日、会員のちづるさんからメールをいただきました。読んでいるうちに「あ~、そんなこともあったな~」って懐かしくなりました。
ちづるさんの息子さんは、有名私立中学に入学したのですが、中学2年生の時に、学校に行けなくなってしまいました。でも今年、すでに就職も決まり、来春、いよいよ立派に社会人デビューです。
ちずるさんも、過去を回想されて、ご自分の失敗を振り返り、皆さんにも、お話しする許可をいただきました。それでは、ご紹介させて頂きますね。
ここから・・・
パピーさん、こんばんは。ちづるです。とっ~てもお久しぶりですが、お元気ですか?約2年ぶりのメールをさせて頂きます。
思えば、パピーさんとの出会いは、息子の中学1年の夏でしたから、もう8年になりました。
難しい試験に受かって、やっと入った中学なのに、勉強に身が入らず、どんどん下がっていく成績に、「どうやったら勉強をするようになるのか?」と、パピーさんに相談をさせて頂いたのが始まりでした。
その息子も二十歳になりました。そして、先日、就職も決まりました。いよいよ来春から、子供は独立することになります。
パピーさんに送らせていただいた数々の悩み。そして、そのたびにお返事頂いた丁寧な内容。今でも大事に宝物としてとっておいています。
あの時、パピーさんとめぐり合わなければ、今のこの幸せはこなかったんだろうな・・・と、今、しみじみ感じています。
でも、あの頃の私は「どうして、パピーさんは、私の事を分かってくれないんだろう」と思っていました。
私は自分の思い通りにならない息子に、変ってほしくて、自分の事は棚にあげていたんだな、と今は分かります。でも、当時はそれが分からなかったんです。
最初のメールのお返事は、「ちづるさんは、どうしてそんなに勉強をさせたいのでしょう?」でした。私は、それを読んだとき????でした。
勉強は学生の本分。勉強するのが当たり前でしょう?今まで勉強を頑張ってきて、やっと入った中学なのに、なぜ、途中であきらめてしまうのか?成績がどんどん落ちていくのに努力をしようともしない、その理由が分かりませんでした。
パピーさんは、一貫して「それは息子さんが望んでいることですか?」「強制されて勉強していませんでしたか?」「勉強が楽しそうですか?」と息子の気持ちをお尋ねになりました。
私は、勉強なんか楽しくなくて当たり前。学校の皆は、みんな遊びを我慢して勉強している。楽しくなくたって勉強するのが当たり前。宿題するのが当たり前。
それをやらない息子にやらせたい、という私の相談のはずなのに、パピーさんは、どうして息子の気持ちを聞くんだろう?なぜ、私の質問に答えてくれないんだろう?と思っていました。
私は、パピーさんに聞いても「埒があかない」と思いました。パピーさんのせっかくのお返事とご質問にも、お返事をせず、(本当に失礼なことをしてしまいました。申し訳ありません)勉強もしなくなりました。
そして「認める」「褒める」も、うちの子供には合わない、と勝手に判断し、さらに厳しく勉強を強制をするようになりました。
ですが、私のその考え方が「間違っていた」と分かったのは、子供が学校に行けなくなってしまった時。勉強を始めてから約1年後の息子が中学2年生になった時でした。
息子は、食欲がなくなり、夜も眠れないようになりました。腹痛を訴えたり、机に向かうと吐き気がしたり、家を出るときには、体が震え、涙を流すようになりました。
私は「中学生にもなって!」とも思いましたが、良くなる気配はありませんでした。ちゃんと「幸せなお母さん」の勉強を続けていれば、すぐにでもパピーさんに御相談できたのですが、
一旦は「埒があかない」と無礼な態度を取った私でしたから、パピーさんにメールをする事ができませんでした。ですが、他に相談できる人がいないと、恐る恐る「又、相談に乗っていただけますか?」と、メールをしたとき、
過去の無礼をとがめられることもなく、「大丈夫ですよ」と言っていただいて、本当に救われました。ありがとうございました。
その時「以前、ご質問したお返事をまだ頂いていませんが、ご回答くださいますか?」と言われて、
「勉強は子供が望んでいるものではなく、もちろん私が強制してやらせていました。」「小さい頃から、親がついて勉強をさせ、学習塾にも行かせていました」「本人は、やめたい、遊びたいといったこともありましたが、それは許しませんでした」と正直にお返事をしました。
そうしたら、次のパピーさんの言葉は、「じゃあ、息子さんの好きな事は何ですか?」「何をしている時が、楽しそうですか?」「熱中していることや、時間を忘れて没頭している事って何ですか?」と聞かれました。
私は・・・答えられませんでした。私は、子供が何が好きか、何を楽しむのか、何なら、熱中するのか、没頭するのか、など、何も知らなかったのです。
そのようにお返事したら、パピーさんは、「なるほど、息子さんは、今まで、お母さんの為に、ずっと頑張って走り続けていたんですね。」とおっしゃいました。
その時は、今まで感じたことが無いほど大きなショックでした。(パピーさんに息子の楽しいことについて、お返事できない事もショックでしたが・・・)
パピーさんは、一言も「あなたが原因ですよ」とは、仰らなかったのですが、私が原因である事は明白でした。私は、頭が真っ白になりました。
息子は、親に反抗する子ではありませんでした。表情は暗いながらも、学校にも行っていましたし、私も「頑張ればなんとかなる」といつも口にしていました。
でも、私が追い込んでいたんですね。
小学校である程度の成績を取り、有名中学に進学し、良い高校、良い大学、そして社会人として立派に独立。ステキな女性と幸せな結婚をして・・・それが、息子のためだと信じて疑いませんでした。
でも、息子は、限界に達し、勉強することも、学校に行くこともできなくなってしまったのです。息子の異変が体に現れて、初めて気付くなんて・・・。本当に私は母親失格だと思いました。
これから、私はどうすればいいのでしょうか?頭を抱え、震える手でキーボードを叩き、眠れずに何日かを過ごした時、パピーさんから、お返事が届きました。
そこには・・・「大丈夫。ちづるさんは母親失格じゃないし、息子さんだって、これで終わりじゃない。これからは、ちづるさん主導ではなく、息子さんの意思を優先にして、息子さんの人生を歩ませてあげましょう」とありました。
その時、やっと分かったのです。パピーさんの質問の意味が。私は、子供の人生なのに、私が思うように動かそうとしていました。
そして子供は精一杯、私の願いを叶えようとしてくれていたのです。でも、子供は楽しくなかった。幸せではなかったんです。
私は、子供の気持ちを犠牲にして、私の幸せを叶えようとしていました。以前、メルマガだったかパピーさんの言葉だったと思うのですが、「だれかの犠牲の上に立つ幸せは無い」という言葉が痛いほど心に突き刺さりました。
そこで、息子に聞いてみたのです。「あなたは、何をしている時が一番楽しい?」って。息子は、ちょっと不思議そうな顔をしたのですが、(多分、正直に言ったら、私が不機嫌な顔をすると思ったのでしょう)
「何を言っても、私は怒らないから大丈夫だよ(^^)」と言いましたら、息子は、「僕、車が好きなんだよね」と言いました。
以前、子供がまだ小学校の頃、社会科見学で、トヨタ博物館に行きました。その時、すごく楽しそうに帰って来て、興奮して喋りまくっていた息子の姿を思い出しました。
本当は、小さい頃から車が大好きだったのに、私はそれを分かってあげられませんでした。ですが、パピーさんの言われたように「今まで、あなたのこと、何もわかっていなくてごめんね」
「勉強、勉強、って言ってきたけど、もし、あなたがこれから進んでみたいことがあったら、教えて」「自分の人生だから、自分の好きな道で良いのよ」と言ってみました。(パピーさんの言葉そのままで恥ずかしかったです)
そうしたら、息子の顔色が一瞬赤みが差したように見えました。ですが、すぐに下を向いて「でも・・・」と。
私は「まだ、私に遠慮しているんだな」と思いながら、「大丈夫、私は、絶対に反対しないから」と言ったら、小さな声で、「僕は、自動車の修理をする人になりたい・・・」と。
私は、子供がこんなになって初めて自分の気持ちを言ったのに、「えっっ自動車修理工なんて・・・・」と思ってしまいました。本当に、私は傲慢なんだな、と情けなかったです。
ですがパピーさんに言われたように、「自分の夢があるってすばらしいことだよ」「お母さんは、今まで、あなたの気持ちを知らなかったけど、こうやって教えてもらったんだから、応援するよ」と言いました。
子供は、驚いたように「えっ?いいの!!」と言いました。これで分かりますよね。どれだけ私が子どもの夢を踏みにじっていたか・・・。
それからは、私の「こうしなさい」「ああしなさい」を極力言わないようにして、学校も成績がどうでも、パピーさんの言葉どおり「この子はこの子で良い」を口癖に過ごしました。
勉強しなければならない、良い成績を取らなければならない、というプレッシャーから解放されたのでしょう。家でも、自動車の雑誌を見るようになりましたし、少しずつ、元気になり、学校にも行けるようになりました。
そして中学卒業時には堂々と「僕は自動車整備士になります」と書き、多くの同級生が有名私立高校に行く中、公立の工業高校に進学しました。
息子は、私の「勉強しなさい」の重圧から解放されたのか、高校時代は、友達が沢山できて、友達の家に泊まりに言ったり、友達も自宅に遊びに来たり、皆でキャンプに行ったり、釣りに行ったり・・・。
驚くほど元気になって、その変わりように驚きました。でも、これこそが彼らしい姿なんですね。
その後、本人の希望通り、自動車専門の短期大学に入学し、寮生活を経て、今年、晴れて自分の希望通りの自動車会社に就職が決まりました。
パピーさん。その時、息子はなんて言ったと思います?
「母さん、今まで、ありがとう。中学2年生の時、母さんが『自分の進む道を自分で決めて良い』って言ってくれたから、僕は、好きな道を選ぶことができたよ。
母さんの思い通りにはできなかったけど、僕はすごく幸せ者だよ。本当に感謝してる。これからは、僕が母さんを幸せにするからね。」ですって。
もう、涙・・・涙・・・涙・・・でした。
正直に言うと、私は、子供が学校に行けるようになっても、明るく元気になっても、それでもまだ、以前の気持ちを捨てることが出来ませんでした。
本来の私が持っている傲慢さが消えることは無かったのです。ですが、子供のこの言葉を聞いて、「これでよかったんだ」「やっぱり私の人生ではなく、子供の人生だったんだ」と(当たり前のことなのに)改めて納得しました。
そして、同時に、何度も何度もお返事を下さって、根気よくこんな不出来の私をサポートして下さったパピーさんに、深い感謝を表したくて、今日、メールをさせて頂きました。
長い子育て期間で、お世話になりっぱなしでしたが、多分、これで私も卒業できると思います。今まで、本当にお世話になりました。そして、心から・・・ありがとうございました。
追伸でも、すみません。私は未だに子育てには自信がないです。この先、子供が結婚し、孫が生まれたとき、お嫁さんとの接し方や、孫との接し方に悩むかもしれません。
その時は、又、相談させて頂いてもよろしいでしょうか?
ここまで・・・
いかがでしたでしょうか?ちづるさん、“正直に言うと、私は、子供が学校に行けるようになっても、明るく元気になっても、それでもまだ、前の気持ちを捨てることが出来ませんでした。本来の私が持っている傲慢さが消えることは無かったのです。”
と書いておられましたが、もし、そうだとすると、かなり長い期間、ご自分の気持ちを抑えて、私のお願いを守ってくださったのだな・・・と、私も、胸が熱くなりました。
でも・・・すごいな~。息子さん、中学の時に自分の道を見つけ、ちゃんとその道を貫き通したんですね。
息子さんが学校に復帰できて、高校生活が楽しめて、希望を持って大学に進み、就職も決まった。
あの時のちづるさんの決断は正しかったと思いますし、今までのご苦労、ほんとうによく頑張ってこられたと思います。これからは、ご自分の為に、時間を使ってくださいね♪
あ、そうそう。ご心配の・・・“この先、子供が結婚し、孫が生まれたとき、お嫁さんとの接し方や、孫との接し方に悩むかもしれません。その時は、又、相談させて頂いてもよろしいでしょうか?”ですが、もちろんオッケーですよ♪
その時は「幸せなおばあちゃん」を目指しましょうね(^^)
さて、もしかしたら、今回のメルマガは、お子さんが、幼稚園や、小学校低学年の方にとって、「私にはずっと先のこと」と感じたかもしれません。でも、必ずその時はやってきます。
ですから今から、必ず来る未来を見据えながら、私達がどういう風に子供に接していくのか?を考えていただいた方がいいのですね。あなたの『気付き』になってくれたら嬉しいです♪
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