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第814号 肯定>否定の重要性

こんばんは。パピーいしがみです。

講座を勉強されている方、このメールマガジンをお読みの方は、年齢の低いお子さんのお母さんが多いので、どうしても、幼稚園~小学校低学年のお子さんの、トラブルや、ご相談に対してのお返事が多いのですが、

今日は、中学生・高校生のお母さん(SHさん)のご報告です。

SHさんは、学校の先生です。ご自分なりの子育ての理論をお持ちで、自信をもって子育てをされてきました。小さい時には、問題が起きても、修正できていたようです。

でも、大きくなるにつれ、なかなか修正が出来なくなり、中学生になった頃には、子供はかなり荒れた状態になってしまっていたそうです。

SHさんは、どんな考えで子育てをされ、子供はどう変化していったのか、是非、ご参考になさってくださいね。

ここから・・・

パピーいしがみ様初めてメールをさせて頂きます。

私は、SHと申しまして、約3年半ほど前にパピーさんを知り、勉強をさせていただいています。一度も相談をせずにおりましたので、ご存じないかも知れません。

なぜ、相談をせずにいたのか?実は、その時にはもう息子は15歳だったからです。息子がすでに荒れまくっている状態でしたし、相談をしても「修正するのは難しい」と言われたら・・・と思うと、怖くて相談もできませんでした。

又、私は、小学校の教師をしておりまして、変なプライドもありました。ですが、家での息子の様子や、学校での問題、警察にお世話になったり、あちこちで問題を起こしているのをただ見ているわけにも行かず、パピー様の勉強を始めてさせてもらったのです。

息子が4歳の時に離婚をし、親一人子一人で生きてきました。離婚後は「片親だから」と言われないように、後ろ指を指されまいと、厳しくしつけました。

厳しくするとその時は泣いて謝ります。反省します。

一旦は素直になるのですが、又、同じことをしでかします。そのうち、叱ることも、叩くことも効果がなくなっていきました。

パピーさんがおっしゃるように、息子の変化は3年生ぐらいから始まり、どんどん悪い方向に向かいました。

小学校では、おとなしい生徒さんを苛める側に立ったり、クラス崩壊、トラブルメーカーの中心でした。中学校では、友達を何人か引き連れて授業をボイコットしたり、授業中に女性の先生を野次って泣かせたり。

ゲームセンターに入り浸り、学校にも行かなくなり、路上のバイクを盗んだり、コンビニで万引き、学校での喫煙、飲酒。本当にありとあらゆる悪さをする子だったのです。

テストの点数が悪いとか、家庭内暴力とか、そういうレベルをはるかに超えて、手のつけようが無い状態でした。

そのたびに厳しく叱りました。ですが変わらない。いえ、変わらないどころかますます悪くなっていきました。私も、厳しい家庭で育ちました。

だからこそ、きちんと道を間違えず、まっすぐ成長できたと思っていました。

ですから、子供も厳しく接することが本人の為だと思っていましたし、「この子は絶対にいつかは分かってくれる、理解してくれる」と信じていました。

が、どんなに厳しく叱っても、どんなに根気強く説得しても、息子は変わりません。

「この子のせいで、私の人生は不幸になった」「この子を殺して、私も死んでしまいたい」何度思ったか分かりません。

ですが、あるとき、パピーさんのお噂を聞きました。ホームページも隅から隅まで読みました。

パピーさんも、学校の先生だったお父さんの影響で、非常に荒れた少年時代を過ごされたと知ったとき、「この方の作られたカリキュラムを勉強すれば、息子の気持、私の失敗の理由が分かるかもしれない」と勉強を始めさせていただいたのでした。

学んでみて、やはり・・・というか、分かったのは、「私の子育ては、間違っていたんだ」という事実でした。うすうすは感じていましたがショックでした。

私は、厳しく育てられた、と思っていました。でも、思い返してみると、母は私に厳しく接することもありましたが、私が落胆している時には、いつもそばにいてくれました。

相談すれば話を聞いてくれたり、笑顔で励ましてくれました。一緒に泣いてくれたり、喜んでくれたりもしてくれました。少なくとも、私は母が嫌いではありませんでした。

私は、認め・褒め・包んでもらっていたのです。パピーさんのおっしゃるように、ちゃんと、「肯定>否定」の状態で、育ててもらっていたのだ気付きました。

でも、私は、そんな親の一面しか見ずに現代の子供達に不足しているのは「厳しく叱ること」だ!と、ずっと信じ続けていたのです。

巷にある情報に踊らされ、間違った理解をしていたのだと、子供が大きく道をそれて、やっと分かったのでした。

母は、もう他界しておりませんが、子供が小さい頃に相談できていたら・・・と思うと、悔やんでも悔やみきれませんでした。

プライド・・・。私は、自分が「教師」という立場から、母にも、弱音を吐くことができなかったし、母に指摘をされたくもなかったので、息子を見せないように、あえて距離を取り、疎遠になっていきました。

又、その雰囲気が誰からも忠告してもらえない。そんな自分を作ってしまっていったのだろうと思います。

息子は中学を卒業しても、高校には進みませんでした。かといって就職をするでもなく、それについて話をしようとしても、「うるせぇ、黙れ!」と拒否されました。

私は、長年に渡る心労で、体を壊していしまいました。自分の子育ての失敗と、もろもろの精神的ストレスもあり、食事が取れずに、ある時、ばったりと倒れてしまったのです。

気がついた時には、病院で、そばには息子がいてくれました。救急車を呼んでくれたのも、息子だったそうです。息子は学校にも連絡をしてくれて、校長先生と、教頭先生も来てくださいました。

診断は長年わずらっていた「胃潰瘍」でしたが、又、著しく体力が低下している、とも言われ、同時に腫瘍もある、という事で、がんも視野に入れて、充分な検査が必要だと言われました。

それまでは、一日も早く死んでしまいたい、と思っていましたが、本当に「死」に直面したとたん、「怖い」「死にたくない」と不安で不安で、次から次から涙があふれました。

息子の前で泣いたのは、きっと初めてだったと思います。ですが、彼は、入院の為の準備をしてくれたり、『俺、学校に行く必要もないから、毎日見舞いに来てやるよ』と言ってくれたり、その存在はとても頼もしかったです。

私は、パピーさんの勉強を始めて、いつか、自分のしてきたこと、間違った子育てを、息子に謝らなければならない、と感じていました。

ですが、またここでも変なプライドが邪魔をして、ずっと謝れずにいました。何をどうやって謝ったらいいか、メモに書き出そうと思いました。

でも・・・どう謝ればいいのか出てこないのです。思い出されるのは、小さい時の事ばかり。生まれた時に、とても感動したこと。保育園の運動会や、学芸会のこと。ディズニーランドに行って楽しかった思い出。

考えてみたら、子供が生まれて数年は、本当に幸せで、この子の為なら死んでもいい、と本気で思っていました。

そして、私も笑顔を絶やさず、息子もニコニコしている子でした。でも、夫と別居、離婚・・・となってからは、私は家庭で笑うことはなくなり、いつも怒り、子供を叱るようになったのです。

息子からお父さんを取り上げたのも私ですし、息子には、本当に悪い事をしました。どんなに今、振り返っても取り返しがつかない。申し訳なかったし、許されるものなら、許してもらいたい、

まだ、下書きの段階ですが、そんな風に書いて、私は眠ってしまいました。
どうやらその後、息子が来て、その下書きを読んだのだと思います。書いたはずのメモ書きが全部なくなっていました。

「メモ知らない?」と聞いたら「知らない」と答えますし、「あなたに謝らなくちゃならないことがあるんだ」というと、「もういいから」と話を遮られました。

そのあたりからです。息子との会話ができるようになってきました。最初は「いつもありがとう」「うん」「ごはん食べてる?」「食べてるよ」ぐらいでしたが、

息子からも「今日の調子はどう?」とか、「郵便物が届いたから持ってきた」とか・・・。本人も照れくさいようで、あまり口数は多くないのですが、着替えや雑誌を持ってきてくれたり、家では掃除や洗濯もしてくれているようでした。

今まで、問題児だと思っていた息子は、私が「有り難い(有るのが難しい)」を知ったら、パピーさんがおっしゃるように「スーパーマン」に見えてきました。

そろそろ、退院が近づいてきた頃、(約1ヶ月近く入院をしたことになります)息子がこう言いました。「俺、通信制の高校に行ってみようと思うけどどうかな?」「いまさら、普通の高校にはいけないだろうし・・・」もちろん、私は大賛成です。

その後は、パピー様の教えの通り、私は「ありがとう」を増やし、「認める、褒める、包む」を意識して過ごしました。

お話できるような感動的な出来事はないのですが、あれだけ荒れていた息子は、とても安定し、ゲームセンターにも行かなくなり、悪い仲間とも遊ぶことが減っていきました。

そして、その息子が、今年の4月。大学に合格し、一人暮らしを始め、ゴールデンウィークに帰ってきました。

初めてもらった、アルバイトの給料で、「ちょっと早いけど、母の日だから」と、わざわざ届けてくれたのです。

袋の中には、小さな花束と、青汁が1ケースありました。「初めてだから何をあげたら良いか分からなくて・・・」と照れていましたが、保育園以来の息子からの母の日のプレゼント。

本当に嬉しくて、嬉しくて・・・又、泣きました。

パピーさん、私は今、とても幸せです。幸せなお母さんです。この喜びと感謝を伝えたくて、メールをさせて頂きました。

もう、子育ての時期は終わってしまったかもしれませんが、そんな親子にも、パピーさんのメソッドは有効でした。

かなり長い期間悩み苦しんだのですが、気付かせてもらえて本当に良かったと思います。手遅れでは無かったです。

又、私のこの経験は、今の仕事にも役立っています。間違った子育てをしてきたこと。子供が大きく道を外れてしまったこと。そして、親の接し方によって子供は変化すること。

誰にも(子供にも)気持があること。変なプライドで、正しい対処が出来なくなること。悩んでいる、生徒の親御さんにも、私の経験を踏まえて、お話させていていますが、皆さん、真剣に聞いてくださいます。

もしかしたら、今、少しだけ善循環が始まったかもしれません。

でも、私は今、充分に幸せを感じています。あの地獄のような日々から開放された、それだけでも、今がいかに幸せか?が分かります。パピーさんも、毎日お忙しいようですね。

これからもお体をお大事に、沢山のお母さんを救ってあげてください。私のように、感謝している方は、とても沢山おられると思います。

是非、これからもこのお仕事を続けてくださいね。長いメールになっていまいましたが、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

ここまで・・・

SHさん、長いこと辛い日々を過ごされたようですが、“私は今、充分に幸せを感じています。あの地獄のような日々から開放された、それだけでも、今がいかに幸せか?が分かります。”とあって、本当に良かったと思います。

下書きのつもりで書いたメモも、きっと息子さんは、お母さんの本当に気持ち、自分の宝物として、大事にしているのではないかな?と思います。

実は、この話には後日談があって、息子さんは、お母さんと同じように学校の先生になろうかな?って考えて考えているようです。

SHさんも大喜びですが、また親主導にならないように、ご自分の希望を押し付けないように、「あなたの人生だから、自分で決めればいいんだよ♪」と言ってくださっているようです(^^)

SHさんもお話になっていましたが、ご自分の失敗や、うまくいかなかった理由、それを知っている方の言葉はとても価値があります。

同じように、息子さんも、ご自分の体験を、子供達や、親達に話すことができたら、同じ失敗を繰り返さないようにしてあげられます。もし、息子さんが先生になってくれたら、すばらしいですね(^^)貴重なご報告、ありがとうございました。

 
 
 

貴重なご報告、ありがとうございました。

ご興味がありましたら、ご覧ください。

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