第82号 ピンチ!・・・実は大きなチャンス!
今日のメルマガは『ピンチ』は『チャンス』であるというお話です。
4歳、5歳くらいの子供さんを見て、
「うちの子はどうも○○が苦手みたい」
と思われる親御さんが多いようです。
そして「あなたは○○が苦手なんだから△△を頑張りなさい」
とか「生まれつき○○ができないんだからしょうがない」
などと言ってしまう場合があります。
これってものすごく残念なことなんです。
たった数年を見ただけで親が子供の能力を判断し、
その可能性に蓋をしてしまうことになりかねないからです。
今日、お話する内容は小さい頃ちょっと運動ができなかった
為に発育も遅れがち、運動能力も低い(ように思える)
子供さんをお持ちのお母さんからご心配のメールです。
ご紹介させて頂きます。
ココから・・・・・・・・・・・・・・
私は40歳。5歳と3歳の男の子の母親です。
父親は45歳で、家族4人仲良く(時にはけんかをしながら)
暮らしています。
悩みといいますか、
このまま放っておいてよいのか悩んでいることがあります。
長男のことです。
長男は、生後7ケ月の時に股関節亜脱臼と診断され、
1歳の誕生日前日まで装具をつけて過ごしました。
その後装具ははずれ、骨も順調に発達し、今年6月の検診では
「もう大丈夫。運動制限もなし!」
と太鼓判をもらいました。
それで、ちょうど歩き出すころに装具をつけていたため、
初めて歩いたのが1歳8ヶ月でした。
私は長男が装具をつけていても、
なるべく同じ年くらいのお友達を遊ばせてあげたくて、
友だちをうちに呼んだり、遊びに行ったりしていました。
同じ月齢の子供達がつかまり立ちをし普通に歩く姿を見て、
涙が出そうになったことは何回もありました。
ですから、長男が伝い歩きや立ち上がったときは
どれだけうれしかったことか。
数人の同じ月齢の子供達が集まると、
やはりやんちゃな子はいて、
その子は長男を突き飛ばしてわざとこかしたりしました。
「やめてね」といっても逃げていくばかり、
そのこのママも「だめよ」とは言ってくれますが、
顔が笑っているので、全然言うことを聞きませんでした。
そんなことや長男の超慎重な性格からか、
歩き出したのは1歳8ヶ月でした。
性格とやはり足のことがあって、
いまだに運動面はあまり得意ではない子供です。
でも、本当に努力家で(親ばかですが)本当に凄い子です。
ゆっくり着実に積み上げて行ける性格なので、
人よりゆっくりですが、確実にできるようになります。
お勉強も特にさせませんが、自分から興味を持ってやっています。
勉強面は人並みもしくはそれ以上ですが、
運動面がやはりゆったり目です。
力も弱く、からだも食も細い子供です。
それで、今、保育園の年長クラスなのですが
クラスのやんちゃ系の男の子、数人から
ちょっかいを出されています。
整列している時にお尻をグーで何回もたたいてきたり、
「○○ちゃーん」とわざと女の子風に呼んだり。
長男が「やめて」といっても辞めてくれないそうなんです。
「もっと大きな声で、先生にも聞こえるように言うたら?」
と、私がアドバイスすると
「そんなことしたら、先生の合図が聞こえなくなる。
ちゃんとしないといけないから」
といいます。
そうなんです、女の子風に呼ばれて嫌だった時、
「やめろやー!」
精一杯の声で言っていました。
(ちょうど私もそばにいたのです)
でも、小さな声でした。
長男にとっては精一杯がんばった声だったのだと思います。
こういうことはたまにあるようです。
「男の子はいろいろあるから」と言う人もいます。
でも、いじめられたことがない人は、
いじめられる怖さや悔しさははわからないよって思うんです。
(実は私、高校生の時にいじめに合いました)
来春から小学校です。
今まで以上に大人の目が届かなくなります。
このまま放っておくとよくないと思うのです。
保育園の担任の先生には話をしましたが、
「言い返せるのなら、大丈夫ですよ」
という返事。
言い返して、それが相手に伝わればいいのでしょうが、
それもどうなのか?あやしい状態です。
確かに口数の少ない長男が、
小声であれ「言い返し」たりできるようになったことは
進歩ではあるのですが・・・。
私はどうしたら良いのか、悩んでいます。
このままにしておいて、エスカレートして
「いじめ」になったらどうしようと考えてしまうのです・・・。
もしよろしければご助言下さい。
ココまで・・・・・・・・・・・・・・
というご相談を頂きました。
そして、わたしはこのようにお返事したのです。
ココから・・・・・・・・・・・・・・
メール拝見しました。
まずはこのご長男さん。
立派ですね。偉いです。
何が偉いって今の状態で「やめろ!」って言える事です。
きっとお母さん・お父さんもこの子を育てる時、
次男さんとも分け隔てなく育てられ、大事に見守って
(あまり手を出さず)おられるのだと思います。
(それも立派です)
子供が小さい時に何かしらのハンディがあると、
親は、『障害がある子に対しては世間は助けるべき』
と当たり前のように考えます。
もちろん、世界の流れはそうなっていますし、
『人間として優しくしてあげるべき』
と考える人が多くなっています。
しかし、それは決して本人の為ではないのですね。
例えば、大地震が起きた時、
経済が落ち込み、多くの人が仕事にあぶれた時、
又は自分の家族が危機に面した時、
誰もが、自分の安全・身内の安全をまず最初に考えます。
そして自分の安全が確保できて、初めて他人のことに気遣うのです。
なぜ私がこんなことを言うか?と申しますと、
『自分は自分で守る」という事を覚えなければならないからです。
親や大人が過剰に『守ってあげなくちゃ』と考えたり、
本人が『助けてくれるのが当たり前』
と思ってしまうと、将来、常に外からの援助を期待したり、
その期待に答えてくれる人がいないと知った時、
『自らを守る術がわからない』という状態になってしまうからです。
これはとても悲しい事です。
成長する過程においては『いじめ』や『からかい』だけでなく、
さまざまな挫折や障害、妨害、裏切りなど必ず発生します。
だから今子供さんがやるべきことは
その小さな『からかい』からの『克服』なんです。
今、息子さんに必要なのは『鍛える』という事です。
息子さんは股関節亜脱臼だったとお伺いしました。
そのために運動が制限されてあまり運動能力は発達していないの
かもしれません。
又、運動能力が低いと言うことは
きっと息子さんも感じているはずです。
だから周りの大きな子供達が『怖い』はずなのです。
そんな中でも「やめろ」と言える事。
これは非常にすばらしいことです。
きっと、負けず嫌いなのでしょう。
こんちくしょう!と思っているはずです。
だからこそ、克服するチャンスなのです。
ご飯をもりもり食べて、大きくなろう!
運動してかけっこも負けないようになろう!
けんかしてぶん殴ってもいい!いじめっ子をやっつけろ!
そんな目標でもいいのです。
今、お母さんが出来ること。
それは他の子供と同じように
いえ。他の子供に負けない位に
『自分の子供を鍛える!』という事です。(もちろん楽しく)
時間は掛かるかも知れません。
でも、トレーニングすることで必ず筋力は付いてきます。
是非、お母さんと一緒に《お母さんも運動は苦手でしょ?》
運動のできる環境を作ってください。
そして、体を動かしている子供さんを褒めて、励まして
応援してください。
もしかしたら、あなたは
今の状態がピンチだと思われているかもしれません。
しかし、光があたる全ての物体に影があるように、
ピンチの時にも必ず『チャンス』があるんです。
今回は『運動が苦手』という子供さんに光を当てたら
『ココでやり遂げればば、大きな自信になる』というチャンス
があるわけです。ココで身についた『自信』は子供さんの
今後の人生において大変大きな価値となるのです。
でも、ほとんどの方は
『運動が苦手』『今がピンチ』
という面しか見ないのですね。
そして、
『他の面で伸ばしてあげれば・・・』と考えたり、
『この子は小さい時から運動が苦手だから・・・』
と苦手なものから遠ざけてしまうのですね。
苦手だから・・・。できないから・・・。と遠ざけていると、
いつまでたっても『克服できない』のです。
そして、常にコンプレックスを抱えることになるのです。
今がチャンスです。
『くやしい』
『負けたくない』
そういう気持ちがより強いモチベーションを作ります。
大丈夫。
「やめろや!」って言える子供さんなら
どんどん運動能力も伸ばしていけるはずです。
そして、苦手を克服する事で、勉強だって友達づきあいだって
これから訪れるどんな障害だって毅然と立ち向かう
大きな自信が付くはずです。
今が、チャンス!
是非このチャンスをモノにしてください!
ココまで・・・・・・・・・・・・・・
そしたらすぐにお返事いただきました。
ココから・・・・・・・・・・・・・・
お忙しいのに、丁寧なお返事ありがとうございます。
実は先日もちょっかい出されて喧嘩したようです。
「ようです」というのは先生から聞いたことなので・・・。
竹馬がやっと乗れるようになった長男は、
最初に乗るとき時間が掛かるのです。
それを見て
「遅いなー」といわれて
「うるさい!」と言い返したら、
竹馬振り回してきたんだそうです。
ちょうど先生が見ており、竹馬を振り回したその子は、
注意されたそうです。
先生は長男がからかわれて、言い返して、
そうなった経緯を遠くからなんとなく見ていたそうです。
長男は先生がわかってくれてて、
ちゃんと先生がその子をしかってくれたことで満足してか、
家では話しません。
私が2回ほど質問したらやっと話してくれましたけど・・・。
本人の中で自己完結してるから、
それでいいのかな?という感じです。
運動能力のことで「鍛える」ことをしなさい。
と教えていただきましたが、
実はこの春から長男にとっては
「やればできる!」
ことがわかってきているようで、
いろいろがんばっています。
春に「こまなし自転車」に乗れるようになりました。
そして昨日、竹馬に一人でちゃんと乗れるようになりました。
いままで、「でけへんもん」といじけることが多かったのですが、
最近、特に竹馬に乗れるようになって自信がついてきたようです。
まで寄り付かなかった鉄棒に自分から挑戦したり、
跳び箱も更に高い段に挑戦している姿を保育園で見ます。
親ばかですが、とてもうれしいです。
これからもっともっと「鍛えて」
いろんなことに自信をつけていけるよう、
精一杯の応援をして行こうと思います。
私には応援することしかできませんから・・・。
今になって、私の両親が私に言っていた言葉がわかります。
「おかあちゃんやおとうちゃんが、
やってあげれるんやったらするけど、
じぶんでやらな身につけへんねんで」
大阪弁丸出しでごめんなさい。
本当にありがとうございました。
完全に解決したわけではありませんが、
私の気持ちの持ちようが変わりとても楽になりました。
ココまで・・・・・・・・・・・・・・
すごい。すごい。
親が心配するより、子供はどんどん成長していますね。
自分からどんどん克服しているんですね。
偉いです。
立派です。
大阪弁丸出しのご両親の言葉も重みがあります。
さあ。今度はお母さんがそれをよーく見て
「すごいじゃない」
「かっこいいよ」
「頑張ってるね」
って褒めてあげてくださいね。
もっともっと自信をつけて、
いろんなハードルを乗り越える事ができるようになります。
大丈夫。
そのうちご長男さんは、
いじめっ子にも一目置かれるようになりますよ。
(もっとやんちゃになったりして・・・(笑))
自信をつければ子供は変わる。
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