第821号 友達との関わり
こんばんは。パピーいしがみです。今日のメルマガは「友達との関わり」にしました。
子供の「友達」に関するご相談は、とてもたくさん頂くのですが、友達と仲良くなっても、自分の意見をあまり言わず、相手に合わせていることで、
「友達=平等な関係」が崩れて、どちらかが上で、どちらかが下、のような“主従の間柄”になってしまう、という事が良くあります。
そうなると“従”の側になった子は“主”の側になった子から、あからさまに命令されたり、きつく怒られたり、まるで僕(しもべ)のように扱われてしまいます。(それって本人にとって非常に辛く、いやな気分なのです)
でも、相手に合わせる子からすると、決して主従の間柄を望んでいるわけではないのですね。
相手に合わせていた子は、相手の事を尊重し、思いやって、良かれと思って、願いを聞いてあげたり、叶えてあげていたのです。
でも、実は、それが「友達=平等な関係」を崩してしまう原因になるのです。この件は、いつかメルマガでもお話したいな・・・と思っていたのですが、
ちょうどひよこがえるさんから、娘さんのことで相談を頂き、上記の話を娘さんにしていただいたら、娘さんが「え、そうなの?!」と分かってくれて、そこから変化がおき始めています。
同じように悩んでおられる方がいらしたら、きっと参考になると思って、ひよこがえるさんにお願いし、今回、掲載のご許可を頂きましたので、ご紹介したいと思います。
ひよこがえるさんからは、こんな相談を頂いていました。
ここから・・・
パピーさん、お久しぶりです、ひよこがえるです。
第5章の目標は、パピーさんと相談して「子ども達の話をきく」にしましたが、あれから2年、子ども達はいろいろなことをよく話してくれるようになりました。
食事の時間には楽しい話、寝る前には愚痴話(特に娘)が多いですね。
パピーさんのテキストにあった「食卓は楽しく」を実践したくてできるだけ子ども達がゲラゲラ笑えるような環境を作ってきたこともあってか、最終的には「早く食べなさい!」と言ってしまうほど、子ども達二人ともよくしゃべります(^^)。
以前はお通夜のような食卓で、食事の時間が苦痛でならなかったのが嘘のようです。
さて、今回の相談は、今年の4月に1年生になった下の子(娘)のことです。家庭訪問では、先生に「明るくムードメーカーで全体的に学力も高く、活発で、しかも優等生で学級委員になってほしいタイプ」と言われました。
(この評価は、2年間パピーさんのメソッドを活用した結果だと思います。2年前の娘は引っ込み思案が過ぎるところがありました。徐々に自信をつけていった結果だと思います)
確かに、今のところ表面的には何の心配もないように見える娘です。「お友達にもとても優しい」というのが、幼稚園の頃を含め毎回の先生の評価です。
ただ、その「優しい」という評価に私は疑問を感じてしまっています。。というのは、娘は割と相手の気持ちを察するのが早いタイプで、空気を読みすぎるところがあります。
思えば小さい頃から相手が娘のおもちゃを欲しそうにしていたらさっと貸してあげたり、お友達がひとりで寂しそうにしていたら、その子を誘ってあげたり、
知り合ったお母様たちからも「○○ちゃん(娘)は優しくていいわね」なんて言われたりしていました。
でも、特定の子と仲良くなると、その子が傷つかないように、相手に合わせすぎてしまい、そのうち娘が相手の言いなりになることが増え、そして、娘が辛くなる。。。というパターンを、幼稚園の時に2度経験しました。
そのたびに「自分の意見を言おうね」「こうされたら悲しい」と自分の気持ちを言えるよう、諭してきたつもりです。
ですが、また小学校でも同じ事を繰り返しつつあります。もう3人目です。その3人ともそれぞれ全く違う個性の持ち主で優しい子ばかりなのですが、最終的には、徐々に娘が言いなりになる関係となります。
正直言って、まだ懲りないのか。。と娘に対してがっかりです。
たとえば鬼ごっこをする時、娘は年下の子が鬼になると率先して代わってあげたりするのですが、最終的には娘がずっと鬼になって追いかけていることがありました。
まだ幼いですし、遊びの一環でこういうことはよくあることなのですが、なぜここで「ずっと鬼は嫌だ」と言えないのかなと娘に対してつい思ってしまいます。
(娘は足は速い方なので、タッチするのは割と簡単にできるのですが、相手が鬼を嫌がるのでずっと鬼をやっている感じでした。)
娘に聞くと「だって傷つけたらかわいそうだから」「相手に嫌われたくないから」「相手が許してくれなかったらどうするの?(友達いなくなったらどうするの?)」と言います。
最終的に、娘は二人きりの関係が苦しくなり、自分から離れるというのがおきまりのパターンなのですが、相手からしたら、今まで楽しそうについてきてくれた娘が急によそよそしくなるから訳が分からないと思います。
そして必要以上にこじれてしまいます。娘と仲良くなる子は基本的にはみんな良い子です。(あきらかに気が合わないな!という子には娘は最初から近づきません)
こういうことが起こる度に親としても残念な気持ちになります。また、こじれても、時間をかけてまた適度に仲良く遊べたりもするのですが、それでもやはり、NOが言えないようです。
私としては、せっかく仲良くなったお友達なんだから、ちゃんと自分の意見も言って対等な関係を築いてほしいと思うのです。自信がないのでしょうか。
2年間のパピーさんのメソッドで、随分変化の起きた娘ではありますが、まだまだ根っこが育っていないのでしょうか。
自信をつけるために、お花の部分(見栄え)ばかりを育てたつもりはないのですが、、
そういえば、中間反抗期というのもまだないです。
いじけたりすることはありますが、「うるさい!」などの暴言を吐かれたことはないです。まだ私の子育てが支配的なんだろうな。。と私も落ち込みます。どうしたら、特定のお友達と対等な関係を築けるようになりますか?
まだ小学1年生には難しいことなのでしょうか。これから学んでいく部分なのでしょうか。(幼稚園で既に2度痛い目に遭っていますが。。)いつもまとまりのない文章ですみません。お返事は他の方優先でいつでもかまいません。よろしくお願いいたします。
ここまで・・・
ひよこがえるさんの娘さんの言葉。「だって傷つけたらかわいそうだから」「相手に嫌われたくないから」「相手が許してくれなかったらどうするの?(友達いなくなったらどうするの?)」
はい、その気持ち、良く分かります。でも、友達でいるためには、「言うべきは言う」が必要なんですね。なので、私は、こんな風にお返事しました。
ここから・・・
(前略)
なるほど、娘さんは、友達を失うのが怖いようですね。幼稚園の時も同じ失敗をした、とありましたので、ここは、きちんと話をして、教えてあげる必要がありそうです。
もし、私だったらこんな風に言うかもしれません。「○○ちゃん、友達って、何だと思う?(もし、子供なりに考えた答えがあったら、そこに結び付けます)友達はね、一緒にいて楽しい人だよね?
自分がその人が好き、と思って、その人も自分が好き、となった時に、友達になれるんだね。それは、自分だけが楽しいんじゃなくて、相手もいっしょにいて楽しいから、友達なんだね。
もし、相手が「あれやって、これやって」って、指図ばっかりしていたら、楽しくないでしょ?嫌だよね。相手が、あの子、つまんない、と思ったら、嫌だよね。友達じゃなくなるよね。
今、○○ちゃんは、相手から「あれやって、これやって」って、言われて、我慢してやってあげているよね。
それは、きっと○○ちゃんにとっては「嫌われないように」とか「好きになって欲しい」と思っているからやってあげているんだと思うけど、相手は「○○ちゃん、私の言いなりでいやだな」って感じているんだよ。
友達は、友達だからこそ、自分の気持をはっきり言ってほしいんだよ。いやな時には「嫌だ」っていってほしいんだ。
だって、Aちゃんの時も、Bちゃんの時も、(過去の失敗した子達)あなたが我慢してやってあげて、友達じゃなくなっちゃったでしょう?
それと同じで、友達だからこそ、自分の気持をいわなければ、相手が「もう友達でいたくない」って思っちゃうんだよ。
□□ちゃんには、言いたいことを言おう。これからも友達でいてくれるように、あなたが自分の気持をはっきり言わなければいけないんだよ」という感じでしょうか?
“そういえば、中間反抗期というのもまだないです。いじけたりすることはありますが、「うるさい!」などの暴言を吐かれたことはないです。まだ私の子育てが支配的なんだろうな。。と私も落ち込みます。”
ともあって、もしかしたら、娘さんは、自分の気持を表面に出しにくいタイプかもしれませんが、それでも、黙っていてはいけない、
相手は友達だと思って接してくれているんだから、あなたも友達だと思って「言うべきことは言わなければいけない」という事を教えてあげたらどうだろう・・・と思います。
あと、家庭内でも言える雰囲気を作ってあげてくださいね。親が「これしなさい、あれしなさい」と言うのではなく、「あなたはどう思う?」のように、自分の気持を出せる、雰囲気を作って、自分の気持を言葉にしやすい環境を作って頂けたら、と思います。
ここまで・・・
ひよこがえるさんは、こんな風にお返事くださいました。
ここから・・・
パピーさん、お忙しい中お返事をありがとうございました。娘と話し合う時、自分の言葉で言えるよう、何度も何度もパピーさんのお返事を読み返しました。
読み返すうちに、これって、私にも当てはまるな・・と気づきました。私も、相手に嫌われたくなくてNoが言えなかったり、我慢したりしていました。
特にあるママ友に対しては臆病になっていました。母親のやることを娘はそのまま真似るんですね。。(息子より娘にその傾向が強いような気がします。)
娘に、パピーさんのお返事に書いてあったことを自分なりの言葉で伝えました。パピーさんの“友達だからこそ、自分の気持をいわなければ、相手が「もう友達でいたくない」って思っちゃうんだよ。”
この部分には、娘は「え、そうなの!?」とびっくりしていました。
その後、こんな事がありました。娘の仲良しのCちゃんがいます。とても優しいお子さんで私も娘がCちゃんと仲良くしてくれて嬉しく思っているのですが、最近は娘がCちゃんに押され気味でした。(幼稚園の時と同じパターンの始まりです。。)
先日、娘はCちゃんを大事なお友達だと言っていました。私も、Cちゃんとは以前のパターンに陥ってほしくないと思っていたので、娘には「Cちゃんと本当のお友達になりたいなら、ちゃんと自分の気持ちを言えるようになろうね」と言いました。
Cちゃんが心を開いて言いたいことを言ってくれているのだから、娘も心を開かなければ、本当のお友達にはなれないと思ったからです。
娘なりに考えたのでしょうか。先日、初めてCちゃんと喧嘩して帰ってきました!「Cちゃんが××しようとしたから、「だめだよ、やめようよ」って言ったら、「なんでよ!」って押されたの。
だから「やめてよ!」って言ったら「やってないよ!」なんて言うんだよ。頭にきたからほとんど口もきかずに帰ってきちゃったよ」と言う娘の顔は、怒って悲しそうな顔はしていたけれど、スッキリしていたというか、さほど気にしていないような顔をしていました。
そして翌日には何事もなかったように仲良くしていました^^。まだまだ途中経過という感じです。私も娘と一緒に学んでいる最中です。また何か変化がありましたら、ご報告したいです。
ここまで・・・
ひよこがえるさんは、「まだまだ途中経過」と書かれていましたが、私は、大きな一歩をあゆんだな~♪と感じました。
だって、今まで、“傷つけたらかわいそうだから、相手に嫌われたくないから。友達を失いたくない”って思って、自分の気持を言わなかった子です。
その子が「それってよくないよ!やめようよ!」って言った事。友達と対等に口げんかをしたこと。怒りを表して“主従の関係じゃないんだぞ!”って表せた事。本当にすごいな~、頑張ったな~って感じたんですね。
ひよこがえるさんからのメールにも、“娘の顔は、怒って悲しそうな顔はしていたけれど、スッキリしていたというか、さほど気にしていないような顔をしていました。”とありましたが、
娘さんの中には、自分の気持をはっきり言えた自分に「私も、なかなかやるじゃん(達成感)」や、「あ、こっちの方が、すがすがしいじゃん」って、感じてくれたのでは?と思います。
そして・・・“翌日には何事もなかったように仲良くしていました^^。”とあったように、娘さんが、ちゃんと自分の意見を言う事で、Cちゃんも、娘さんを認め、友達として、さらに良い関係になったな、と感じました。
今回の事、乗り越えてくれると、友達作りが、さらに上手になるのでは?と思っていたところ、直近のご報告でも、こんな風にメールを頂きました。
“先日も二人で遊んでいたのを見ていましたが、二人とも言いたいことを言い合って、やりたくないことはやりたくないと言い、でもお互い一歩退くこともできるので険悪な雰囲気にもならず、
ゲラゲラ笑いながら楽しそうに遊んでいて、なんというか、清々しいお友達関係に発展したなあ、と嬉しく思いました。娘もCちゃんを信頼しているから心を開けたのだと思います。”
良いですね~(^^)「友達だからこそ、言うべきは言う」これを、ちゃんと理解して、実践して、「あ、こっちの方がいいじゃん♪」と感じてくれたようです。うれしいな~♪
きっとこれから、友達の幅が広がりますよ(^^)楽しみですね~。ひよこがえるさん、貴重な報告、そしてメルマガへの掲載のご許可、ありがとうございました。
ご興味がありましたら、ご覧ください。
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