第871号 上の子とうまく行かない
こんばんは。パピーいしがみです。今日のメルマガは「上の子とうまくいかない」としました。実は、「下の子が生まれてから、上の子とうまく行かない」というご相談は非常に多く、又、多くの方が同じ内容でお悩みなんですね。
ねっくるさんの場合も、お兄ちゃんが一人っ子の時には、とても良い親子関係だったのに、下の子(妹)を妊娠してから、だんだんお兄ちゃんに心配な行動が出始めて、しだいに親子関係も悪化してしまい、
下の子が生まれてからは、お兄ちゃんの暴力・癇癪が頻繁に現れて、「可愛いと思えない・・・」と感じるまでになってしまった、と言うのです。ねっくるさんは、こんな風に悩まれていました。
ここから・・・(抜粋)
長女妊娠中、長男は年中さんの頃から、爪噛み、布団噛み、咳払い、唇噛みなどの症状が、ひとつ治ると次・・・という形で出はじめました。保育園で、仲のいい子とのトラブルはなかったものの、特定のお友達と言い合いになって手をあげる、思いどおりにならないと泣き叫ぶなど、癇癪をよく起こしていたようです。
私は産後1ヶ月長男を連れて保育園を休ませて実家に一緒に帰り、ストレスからか、その頃から長男をかわいいと思えなくなりました。
赤ちゃん返りはなるべく受け止めようと、かわいくなくても我慢して抱っこしたり一緒に遊んだりしていましたが、時々イライラが爆発して狂ったように怒鳴って、ひどいことを言いまくってしまったり、無視したりしてしまうこともありました。
今はだいぶ落ち着いて、保育園でも癇癪を起こすこともなくなりましたが、私を見る目がおびえているようで、失敗すると私の顔色を伺うようになりました。
わたしの前ではおとなしい。お手伝いもしてくれていい子。よその人の前ではわがままを言ってみたり甘えてみたり。パパにはわがまま放題です。そんな息子にイライラしたり、ひどい言葉をたくさん浴びせてしまったり。怒りが治まらず長時間怒り続けてしまうこともしばしば。
自信が持てないのか、「どうせやってもできないから」とどんなこともやる前からあきらめるように・・・その姿にまたイライラ。その悪循環です。
私も、長女が生まれるまで、長男のことがかわいくて仕方なく、早産で生まれて体が弱かったこともあって、大切に大切に育ててきました。
それが長女が生まれてからかわいいと思えず、2人の子を見ていると、兄と私のようになるのでは・・・と言う恐怖でいっぱいになります。長男は基本とっても優しい子で、兄のようになったらどうしようというのもあって厳しくしてしまっているような気もします。
ここまで・・・
ねっくるさんのご心配の中に「お兄さん」の存在がありました。ねっくるさんには、4歳違いのお兄さんがおられるのですが、そのお兄さんとは、小さい頃からうまくいかず、とても辛い思いをされていたんですね。
今回、長男さんとうまくいかなくなったことが、ご自分の生い立ちや、お兄さんとの事が関係しているのでは?というご心配もあったようです。なので、私はこんな風にお返事しました。
ここから・・・(抜粋)
ねっくるさん、おはようございます。パピーいしがみです。メール拝見しました。“長女が生まれてからの長男と私の関係について悩んでいます。私自身の生い立ちが影響しているんだと思います。”とありましたが、ねっくるさんの生い立ちの影響ではない、と思いますよ。
というのは、こういうケースって本当に多くて、沢山のお母さんがお悩みだからです。又、その理由も明確なので、まずは、それについてお話します。
まず、息子さん一人の時の、ねっくるさんの長男さんに対する姿勢ですが・・・
“長女が生まれるまで、長男のことがかわいくて仕方なく、早産で生まれて体が弱かったこともあって、大切に大切に育ててきました。”とありましたね。
でも・・・長女さんの妊娠が分かった頃から・・・“長女妊娠中、年中さんの頃から、爪噛み、布団噛み、咳払い、唇噛みなどの症状が、ひとつ治ると次・・・という形で出はじめました。”となり、
長女さんが生まれてからは・・・“産後1ヶ月長男を連れて保育園を休ませて実家に一緒に帰り、ストレスからか、その頃から長男をかわいいと思えなくなりました。赤ちゃん返りはなるべく受け止めようと、かわいくなくても我慢して抱っこしたり一緒に遊んだりしていましたが、時々イライラが爆発して狂ったように怒鳴って、ひどいことを言いまくってしまったり、無視したりしてしまうこともありました。と書かれていましたね。
とすると、長男さんとしては、子供が自分ひとりの時と、長女さんが生まれてから、お母さんからの扱われ方が180度変わってしまっているのです。
もし、私達だったらどうでしょう?今まで、すごく大事にしてくれていた人が、突然変わってしまい、自分を嫌っている・・・と感じたら・・・。まずは、その人に対して疑心暗鬼になりますよね?そして、常に不安を感じると思います。(又、怒られるのでは?突然豹変するのでは?と)
そう。今の息子さんの状態。“私を見る目がおびえているようで、失敗すると私の顔色を伺うようになりました。わたしの前ではおとなしい。お手伝いもしてくれていい子。「どうせやってもできないから」とどんなこともやる前からあきらめるように・・・”も、とても自然な姿なのです。
ですが、本人は本当はお母さんに甘えたいのです。甘えたいんだけど拒否されるのが怖いから、“よその人の前ではわがままを言ってみたり甘えてみたり。パパにはわがまま放題です。”と、お母さんにできない「甘え」を他の人や、お父さんにするのです。
そして、お母さん自身の問題ですが、実は、親の心理として、新しい子(赤ちゃん)が生まれると、それを家族で迎えてあげたい、という思いが生じます。
1人目のお子さんが無事に生まれて、順調に育ち、ある程度の年齢になってこちらの気持ちを分かってくれる。そんな時に、2人目のお子さんが生まれると、1人目のお子さんにも当然のように要求してしまうのですね。
同じ子供であるはずなのに、もうすでに生まれている1人目のお子さんを「こちら側」として見てしまうのです。先に生まれた、と言っても子供はまだまだ未熟です。
お母さんの関心が新しい子供(自分とは違う別の人)に向けられた事に不安を覚えます。
子供は不安だから、さまざまな確認作業をします。わがままを言ったり、ぐずったり、お母さんを困らせたり・・・。
ですが、お母さんは1人目の子をすでに「こちら側」だと思っているので、そういう態度に怒りを感じてしまうのです。「なぜ、あなたは邪魔をするの?」「なぜ、新しい家族を気持ちよく迎えてあげられないの?」って。
スタンスとして、上の子をすでに「迎える側」として見ている私たちには、そんな目で見るようになってしまうので、上の子のぐずりや失敗、煩わしさが許せなくなってしまうのです。
本当はまだ生まれて数年で、失敗もあるはずだし、わがままだって、甘えたいという気持ちもあるはず。一人っ子であれば許されることも、「こちら側」「迎える側」という意識が許せなくなってしまうんですね。
もちろん「こちら側」「迎える側」という気持ちは無意識で起きています。そんな事は理不尽であることはわかっていますが、心の中では期待をし、期待に沿ってくれることを望んでいます。だからこそ、その期待と違う結果が起きたりすると、裏切りを感じたり、怒りを持ったりするのですね。
それがいらいらという形になります。まずは、私達の気持ちに、そういう面がある事をご理解いただく事。それをお願いしたいのです。
その次に、「じゃあ、これからどうしていけばいいのか?」なのですが、下の子が生まれてからのお母さんの変化が原因で、子供が今の状態になっている、と言う事は分かってくださった、と思います。
ですが、今の状態で、下の子が生まれる前と同じように接する事ができるか?と言ったら、それはNOですよね。ですから「できない事までしなさい」とは言いません。
ですが、お母さんの変化で今の状態になっているのですから、今より少し、長男さんのことを褒めてあげて欲しいのです。時々、甘えさせてあげて欲しいのですね。
今は、怖くてお母さんの前では自分らしさを表現できていません。まずはその「恐怖」を取り除いてあげなければならないのです。実は、それはとても簡単です。「笑顔」を意識する事なんです。
きっと今、長男さんの、気に入らない事が沢山あると思います。ですがそれは、お母さんの変化が起因している、という事を心に刻んで、お兄ちゃんにも笑顔で接してあげてください。時々、甘えさせてあげてください。
お兄ちゃんを変えよう、とせず、まずはそれだけを意識してやってみてくださいますか?
お兄ちゃんの不安は解消されて、少しずつ問題は減っていくと思いますよ♪
ここまで・・・
しばらくして、ねっくるさんから、こんなご報告を頂きました。
ここから・・・
パピーさん、こんにちは。私のわがままな相談にすぐにお返事を下さったのに、何のお礼やお返事のメールもせず申し訳ありませんでした。あの大混乱していた時のメールの後の、
息子と私の関係の変化、嬉しいことの報告をさせていただきたくてメールしました。
パピーさんのメールにあった通り、笑顔でいることと、時々甘えさせてあげることを意識しながら過ごしてみました。すると・・・最近、保育園の担任の先生から連絡帳に書き込みがありました。
担任の先生は年中さんからの持ち上がりで、長男の問題行動をたびたび相談していました。「最近お母さんのお迎えが遅くなって、ゆっくりお話しできてなかったので久しぶりに連絡帳書かせてもらいました。○○君、年長さんになってとっても落ち着きました。
お友達と言い合いになっても、泣き叫んだり、手が出たりがなくなって、私に報告しに来ることなく、話し合って自分で解決していたり、鬼ごっこやドッヂボールでも負けてもあきらめずに続けたり、(仲の良い子2人とも走るのが早く、かけっこや鬼ごっこ、ドッヂボールで負けると癇癪を起こしたり、タッチされると「今のなし」と言ったり、イヤになって抜けてしまったりしてました。)
ここ数日、お片付けを率先してやってくれたり、製作などでできないお友達がいると教えてあげたり、一緒にやってくれたり、クラスのお手本になってくれていて、いつも褒められています。
以前は園庭でもかけっこなどはせずに、輪から外れて1人虫探しをしていたのが、今はクラスのみんなが○○君に影響されて、虫が大好きなクラスになり、触れなかったお友達にも「ここを持てばいいんだよ」と教えてあげたり、捕まえてあげたり、
重なっているテントウムシを取ろうとしたお友達に「重なっている虫は交尾していて、赤ちゃんを作る大事なお仕事をしているから重なっているのは取らないようにしてあげてね。」と優しく教えてあげたり、みんなから頼りにされて慕われています。
今は○○君が見つけた珍しい虫や幼虫をクラスで飼ったりしていて、お世話なども○○君中心にしてくれて、私もいつも教えてもらっています。保育園がとっても楽しそうです。
それから、苦手で嫌いだったプールで、溺れるようなバタ足だったのが、クラスで1番フォームがキレイになって、ビート版なしで10m泳げたんです!最近苦手なこと全部あきらめずに、弱音を吐かずに挑戦する姿がみられます。何かあったんですか?」と書いてありました。
今まで連絡帳が書かれている時は、持ち物の連絡か困ったことがあった時ばかりだったので、こんなに長い先生からの報告にビックリするやら嬉しいやら。もちろん私も主人もたくさんたくさんほめました!!!!(中略)
それから、4月から保育園の1歳児クラスに入園した娘の担任の先生から言われた言葉です。○ちゃん(娘)って不思議な子でね。2歳児さんからも幼児クラスの子からも大人気で、すごーく可愛がられるんです。
ひよこ組さんの中で1番人気で、いつもお姉ちゃんたちに囲まれてます。○○君(息子)がね、この間ひよこ組に来て、「先生、○(妹)が他の子にいじめられたりしたらすぐにオレに教えて!やっつけてやるから。だって○はオレみたいなお兄ちゃんがいるからこの家を選んでこの家に生まれてきたんだもん!何があってもオレが守る」って言ってたんです!素敵ですね。
生まれた時からずっと、優しいお兄ちゃんに守られて、かわいがられて育ってきたから、みんなに好かれる子に育ったんですね。って。先生の言葉も嬉しかったけど、息子が先生に言った言葉がとっても嬉しかったです。
娘が生まれて間もなく、実家に帰っていた時に、息子を怒ってしまって、息子が「○(娘)なんか生まれて来なければよかった」って泣きながら言ったことがあって、息子を抱きしめながら
「○ちゃんはね、ママのお腹に来る前に、お空からあなたを見ていて、こんな優しくてかっこいいお兄ちゃんがほしいなぁ。と思ってこのお家に生まれてくることに決めたんだよ」って言ったことがあったんです。
息子はそのことをずっと覚えていてくれて、妹を守らなきゃって頑張ってくれていたんですね。これだけの短期間に息子のいいところをたくさん発見することができました。
もうすぐ3人目が生まれてきますが、また赤ちゃん返りしたとしても今の気持ちを忘れなければ、息子を認めて受けとめてあげられるような気がします。パピーさんに取り急ぎどうしてもお礼を言いたくてメールしました。ありがとうございます。長々と伝わりづらい文章ですみません。また報告させてください!
ここまで・・・
どうでしょう?すごい変化ですよね(^^)でも、私は思ったんです。これって、ねっくるさんのご心配。「私と兄のようになるのでは?」という、強い不安から払拭されたことも理由だったのではないかな?って。
安心して、『笑顔でいること』と、『時々甘えさせてあげること』が、できたんじゃないのかな?って。その後、こんな風にも頂いたんですよ♪
ここから・・・
テキストでパピーさんがお子さんたちにお話しされていた「子どもは思いっきり遊んで来るのが仕事だよ」という言葉を息子に伝えていたら、毎日どろんこになって帰って来るようになり、
私も笑顔で「いっぱいお仕事して来れてエラかったね!お洗濯はママの仕事だから、いっぱい汚してきな」とイライラせずに汚れ物を洗濯できるようになりました。息子は汚れ物を洗っているところにやって来て、今日一日保育園であったことを楽しそうに話してくれるようになったんです!
ご飯のときもお風呂の時も、会話が増え、苦手なものを食べた娘を息子が褒めてくれたり、我が家に笑顔が増えました。今まで一日で一番忙しくて、バタバタな夜の時間を楽しむ余裕ができて、毎日家に帰るのが楽しみで仕方なくなりました!
笑顔の力ってすごいですね!!これがパピーさんのおっしゃっていた善循環!!我が家にも巡ってきてくれました~!!
ここまで・・・
以前は、おかあさんをおびえるような目で見て、失敗するとお母さんの顔色を伺ったり、「どうせやってもできないから」とどんなこともやる前からあきらめる・・・そんな感じだったお兄ちゃんが、
今は、毎日どろんこになるまで遊んで、洗濯をしているお母さんの横で、保育園であったことを楽しそうに話してくれる・・・。ご飯の時も、お風呂の時も会話が増えて、沢山の笑顔にあふれている・・・。本当に良かったな~(^^)と思います。
ねっくるさんは、もう少しで3人目をご出産されます。どうぞ、お体に気をつけて元気な赤ちゃんを産んでくださいね。今回は、ステキなご報告、そしてメルマガ掲載のご許可をありがとうございました(^^)
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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