第911号 爪噛みは自然なこと
こんばんは。パピーいしがみです。今日は「爪噛み」についてお話しさせ頂こうと思います。
あなたは「爪噛み」をどうお考えでしょうか?多くのお母さんは「いけない事」として叱るようですし、インターネットで検索してみると、「愛情不足」なんていう言葉も飛び交っています。
もちろん大人になる前に治してあげたいですが、私はそれほど大問題だとは思っていません。
爪噛みと一緒に指しゃぶりなども、親としてはやってほしくない事だと思いますが、でも子供たちは、爪噛みや指しゃぶりをすることで、ちょっとした安心を感じるのです。
爪噛みや指しゃぶりをすることで、以前経験した・・・お母さんに抱かれて、温かさと安心に包まれて、体を預けきった中で、おっぱいを吸わせてもらっていた、その感覚を思い出すんですね。
ですから、不安な時、緊張する時、さびしい時・・・できるだけその不安や緊張や寂しさから逃れたい、(安心したい時に)爪を噛むことが多いのです。
でも、不安や緊張、寂しさを感じさせない、なんて事はできません。子供が大きくなれば、少しずつ親から離れて行きますし、親から離れ自分で行動することが成長であり、その成長過程では、当然、失敗もあります。
もちろん、緊張もありますし、不安だってあります。成長の為には、それら不安や緊張や寂しさを感じることは、とても自然だし、あっていいことなんですね。
今回、ご紹介するプティアンジュさんは、娘さんの爪噛みにとても悩んでおられました。ただ、プティアンジュさんの娘さんは、恥ずかしがりな部分も強く、なかなか自分の気持ちを口に出せない、もしくは口に出してもすごく小さな声だったようです。
インターネットで、いろいろ調べておられていたプティアンジュさん。爪を噛む娘さんを見て「私は母親失格だ」ぐらいにお感じだったようです。
ですから、私はこんな風にお返事をしました。
ここから・・・
プティアンジュさん、おはようございます。パピーいしがみです。メール拝見しました。今回のご相談は、長女さんの「爪噛み」と「恥ずかしがり」についてのようです。
ですが「爪噛み」につては、あまり問題視してほしくない、というのが私の思いです。“もともと爪かみで悩んだ時、ネットで情報を見てはダメ母を刻印された気がして・・・”とありましたが、全く関係ありません。
指しゃぶりや爪噛みは多くの子供が通ってきます。決して親のせいではないし、とても自然なことです。「爪噛み」は、さびしい時や不安な時に起きやすいです。
なぜなら、爪を噛むことで、少し安心できるからです。子供が成長するにしたがって親から離れていきますが、親から離れているときに不安になったら、指を口に入れることで少し安心できます。
そう、お母さんに抱き着いておっぱいを飲んでいる時、とても安心できることを知っているからなんですね。
ですから、子供たちは、指しゃぶりをするのですが、それが少し形を変えたものが爪噛みです。ちょっと感じた不安や心配は、爪を噛むことで、落ち着けたりするのです。
ただ、そのしぐさは癖になることもありますし、癖になれば手持ち無沙汰な時、爪を噛んだりするようになるので、できるだけ早く爪噛みからは卒業してほしいです。
今回、長女さんの爪噛みに気づいたのは、長男さんががかわいい盛りになって、みんなの注目が長男さんに向かうようになった・・・その頃からするようになったみたいですね。
とすると・・・まさに「不安」や「さびしさ」を感じている時に、爪噛みが再発したようです。
ただ、何度も言いますが“爪噛み”は悪い事ではないので、それを厳しく叱る、ということはなさらないでほしいのです。“爪噛み”をし始めたら「あ、今、さびしさや不安を感じているんだな」と察知してあげてほしいのですね。
そして、できれば意識して長女さんに関心を向けたり、楽しく会話ができるように配慮したり、「爪噛み」をやめなさい、と言うのではなく、不安や寂しさを感じさせないように気を付けるようにしてほしいのです。
あと、もし指を口に持って行ってしまうことが癖ならば、口で「やめなさい」というのではなく、ちょっと手を触るなどして「爪噛みしようとしていたよ」と、気づかせてあげてほしいのですね。
そして・・・“姉として弟に対して、物を譲ってくれることが多くなったり、お世話してくれたり優しくなっていた事を安心していたが、実は我慢していたり、親の私たちが娘がキーキー言うのをあらかじめ防ぐために
弟がいやなことをしても、気持ちを代弁してしまい嫌という自分の気持ちを伝えるチャンスを逃していたのかもしれない。”
とあって、多分、プティアンジュさんは、娘さんに「優しさ」を求めておられると思いますが、本来の優しさは「強さ」の上に立つもので、姉だから・・・弟だから・・・という前に、まず秩序をしっかりする、ということと家庭内で作ってほしいのです。
例えば、お父さんがいて、お母さんがいて、お姉ちゃんがいて、僕がいる。
その秩序をしっかり子供たちに教えないと、子供たちが勘違いするのですね。特に小さい子を優先していると、小さい子は、「僕の願望はなんでも許される、叶えてもらえる」と
勘違いして、理不尽な要求をしたり、自分の思い通りにならないと、暴れたり癇癪を起したりして、周りを自分に従わせようとしてしまいます。
そこで一番負担を感じるのはすぐ上の子です。「小さい子には優しくしなさい」と言われれば、自分が我慢するしかありません。
そこに反発できる子でしたらいいのですが、真面目な子、従順な子は「我慢」をしてしまいます。それが自分を出せなくさせてしまうのです。
まだ1歳半とあったので、今まではまあ、しょうがないとしても、今後は「ダメなものはダメ」としっかりメリハリをつけ、お姉ちゃんにも「嫌なものは嫌」と言わせ、喧嘩をすることだってちゃんとさせてあげてほしいのです。
娘さんが、弟に何か邪魔をされて怒る・・・ということも実はとても大事なことで、是非、させてほしいのですね。
そして、時には喧嘩もさせて「お姉ちゃんには叶わない」と、家庭内で「お姉ちゃんは自分よりも上なんだ」という、秩序を教えていってほしいのです。
上の子にも、「私さえ我慢すればいい」「怒っちゃいけない」「優しいいお姉ちゃんでいなければいけない」と思わせないようにしてあげてほしいのです。
ただ、今、運動がとても得意で、縄跳び、フラフープ、鉄棒・・・とできることがとても多いようですから、それらを沢山褒めてあげて、そして、言いたいことも言えるようにしてあげてください。
「嫌なことは嫌っていっていんだよ」「怒りたいときは怒っていいんだよ」のように言ってあげて、親の「女の子なんだから」や「お姉ちゃんなんだから」のような気持ちを払しょくするようにしてくださいね。
「あなたはあなたで良いんだよ」という姿勢で接してくださると、自分らしさを表わしてくれるようになると思います。
ここまで・・・
このお返事をしたのが昨年12月中旬でした。それからまだ2カ月が過ぎたところですが、プティアンジュさんご報告を頂きました。
ここから・・・
こんばんは!プティアンジュです。以前、娘の「爪噛み」と「恥ずかしがり」のことでメールさせていただきながらすっかりお返事もせずにすみませんでした。
パピーさんに相談してから、爪かみは決して親のせいではないし、とても自然なことです。と言っていただけた時、涙が出る思いでした。
自分のせいかもしれない、母親失格と刻印押されたみたいと感じていたので、そのことでイライラし、娘に強く当たってしまい、娘にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
爪かみ再発ということで、どのくらいの期間がかかるだろうと、不安ながらも、できるだけ長女を気にかけたり、爪噛みしているタイミングで声をかけたりして過ごしていました。
年末に私が買い物に行って父親とこどもたちでお留守番している時、帰ってみると、娘の爪がかなり噛み砕かれた姿になっているのに気が付きました。
私も思わず「爪、痛くなっているね」って言ってしまったら娘が「お母さんがいなくて寂しくて噛んでしまったの」と、大泣きしながら伝えてくれて・・・
その時、「寂しい思いさせてごめんね、気持ち伝えてくれてありがとう」と伝えると「もう爪噛まない!」と言い出し、それからというもの(それがよかったのかは分かりませんが)噛まなくなりました。
同時に「我慢せずに言いたいことも言っていいんだよ!」ということも伝えるようにしたのと娘のいいところノート(娘は私からのお手紙だと思っていますが)を書いてみることも始めてみました。
すると、娘の態度にも変化が見られるようになり、弟にも「嫌だ!」と言ったり喧嘩もしたり・・・。
でも、最初ダメっていっておきながら自分で納得したら弟に譲ったり、時には先に譲ってくれたり、玄関で靴をはかせてくれたりもしています。
何かをするときには弟のことも考えてくれたり、いいところノートに娘もお手紙書いてくれるようになったりお手伝いもよくしてくれたり、習いごとの帰りに自分から大きな声で「さようなら」と言えたり・・・と、
微笑ましい光景がたくさん見られるようになり少しずつ、私自身、娘に対して「こういうことなのかな?」と思えるようになってきて育児が前より楽しくなってきています。
また、幼稚園でも「嫌なことは嫌」と言ったり、今日お遊戯会があったのですが(練習中は恥ずかしくて照れまくっていることも多かったようですが)今日は大きな声で堂々とセリフを言えていて一生懸命な姿を見て思わずうるっときてしまいました。
お遊戯会後に教室前で私を見かけて「お母さん!」と呼びかけてくれた時の娘の表情が本当に柔らかく、本人も「出来た!」という自信と頑張った満足感、そして安堵感に包まれた感じがして私もすごく嬉しかったし、娘がいとおしく感じました。
娘は12月生まれの割にしっかりして見られることが多いし、幼稚園に行くといやでも周りが見えてしまうしつい親はしっかりとか出来ていてほしいとか完成系を求めてしまうところもあるけど、
「一歩一歩なんだな、娘は今すごく成長しているんだな」と、この時期を大事にそして決して焦らずにいきたいなと思います。
ここまで・・・
娘さんの爪噛み、治ってよかったですね♪又、お遊戯会も堂々とセリフが言えたり、自分の気持ちをはっきり言えるようになって本当によかったです♪
メールには“「もう爪噛まない!」と言い出し、それからというもの噛まなくなりました。”と書かれていて、こんなに早く結果が出るとは思わなかったですが、何より、プティアンジュさんの
「自分のせいかもしれない」「母親失格と刻印押されたみたい」という気持から解放されたことが私は嬉しかったです。
私のところにも、沢山の爪噛みに対するご相談がありますが、多くのお母さんが「爪を噛むのは愛情不足」とお考えになり、ご自分を責めておられるケースも少なくないので、プティアンジュさんにご了解を頂いて、今回のご紹介をさせて頂きました。
プティアンジュさん、貴重なご報告、そしてメルマガ掲載のご許可、ありがとうございました。
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