第967号 子供の暴言
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は、勉強を始めてちょうど1年たったところでご報告を頂いたひよこさんからのご報告を紹介したいと思います。
ひよこさんの息子さん、わずか1年でとても大きな成長をしてくれて、こんな風にご報告を頂いたのです。
ココから・・・
こんにちは、ひよこです。
まず、1年間ありがとうございました。
主に長男の事で悩み、講座を受講して ご相談もさせていただき、自分も子供達も 1年前より良い感じかな? と思います。
長男は以前は「自分が自分が」という感じで周りの事や人のことはおかまいなしで、自分のやりたい事を曲げない時も多々ありました。
でも前ほどの頑固なこだわりはなくなり、私や妹を優先させてくれたり譲ってくれたり・・・
理不尽な事でも自分の思いを通そうとしていた子が、自分の思いを我慢して他人の思いを汲み取って行動できるようになってきたのは、すごい成長だなと思いました。
長男は一年生を終えましたが、二学期の様子は自分に自信がついた感じでした。
43章の“自信をつけることで人は変わります”の項目にけっこう当てはまっているのではないかな、と思いました。
学校の発表会では(脇役ですが)立候補して大きな声で堂々とセリフを言えていました。
持久走大会へ向けてのモチベーション、やる気の高さ、休日に一緒に自主練もしたりして、目標を自ら立てて臨み 目標を達成して「俺ってすごい」と自信がみなぎっていました。
明るく何でも積極的に取り組み、遊びの中から卓球に興味を持ち「やりたい!」と10月から習い始め、とても積極的に練習しています。
お父さんが卓球経験者なので、お父さんにも教えてもらったり、家族みんなで卓球をやるようにもなりました。すごく楽しいようで生き生きしています。
ココまで・・・
そんなひよこさんですが、文面にもありましたように、1年前はかなり悩んでおられました。
それは、親に対する態度が偉そうで、それを注意しても聞く耳を持たない、妹に対しても乱暴ですぐに手を出すことを止めさせたい、という事でした。
こんな風にご相談を頂いていました。
ココから・・・
最近 長男が、私に対しての態度が偉そうだったり (ナメられているとでもいいましょうか)乱暴な言葉や行動(私に対して「お前」と言ったり、蹴ってきたり等)が増えてきています。家では他に誰も、お前と呼ぶ人はいません。
親子間(私と長男)の秩序を正したいのと、妹に対しても乱暴なので この状況を改善したいと思っています。(父親に対してはそういうことはしません)
メルマガのバックナンバーをいくつか読み、親子間の秩序の乱れは 今後大きな問題に発展していく恐れがあるのだな、と危機感を抱いています。
私に対して「お前」「クソ」「バカ」などと言ったり蹴ったりしてきたら「親に対して何だ、その言い方は!お母さんを蹴るなんて事は絶対に許さないよ!」と きつく言っても
本人は目を合わせずヘラヘラしていたり、「聞こえない」と言い耳を塞いだり舌打ちしたり、物を投げたり余計に暴れたり…聞く耳を持とうとしません。
妹にも、割とすぐに手が出ます。とにかく短気すぎて ちょっとした事で怒ったり、自分の機嫌が悪いと、妹が何もしていないのに、八つ当たりのように蹴ったり 強く押したり・・・
「もし自分が、何もしてないのに蹴られたら どんな気分になる?嫌な気分になるよね?」と言うと「全然。別に嫌じゃない」と(本当はわかっていると思うのですが)素直じゃないのです。
私も小言は言いたくない、と思いながらも 悪い事は悪いと伝えたくて何か言うと、「もぉーーー!そういうの、いらんだよ。」と露骨に嫌な顔をします。
今後も 私や妹に乱暴な言動をするたびに、同じように強めに注意し続けてもよいのでしょうか。最近 毎日こういう状況になり、毎日言っても全然変わらないので 悩んでいます。
昨日も気に入らないことがあり私を蹴ってきて、口で言っても聞かず お互いにエスカレートして取っ組み合いのケンカみたいになってしまい自己嫌悪です・・・。
どんどん悪化している気がするので多分このやり方では変わらないのですよね・・・
ココまで・・・
という内容でした。これについて私はこんな風にお返事しました。
ココから・・・
ひよこさん、おはようございます。パピーいしがみです。
メール拝見しました。
今回のご相談は「長男の私や妹に対する乱暴な言動が増えてきているのが悩みです」 と書かれていました。
これは行動としては「乱暴な言動」と一つの事に思えますが、 実は、お母さんへの言動と、妹への八つ当たり、と、 全く違う2つの事がごちゃ混ぜになっていますので、それぞれ別にお話しさせて頂きます。
まず「お母さんへの乱暴な言動」ですが、“言葉”は子供の中で使われる文化でもあり、私たちもそうですが、沢山の言葉を知っていながらも、その場、その場で使い分けをしています。
子供が悪い言葉を使うと多くのお母さんが「そんな言葉を使うな」のように叱るのですが、「悪い言葉を使わせない」のではなく、「家庭の中で使う言葉ではない」と子供が理解して、選択できるようになればいいのですね。
今“私に対して「お前」「クソ」「バカ」などと言ったり蹴ったりしてきたら 「親に対して何だ、その言い方は!お母さんを蹴るなんて事は絶対に許さないよ!」ときつく言っても 本人は目を合わせずヘラヘラしていたり、「聞こえない」と言い耳を塞いだり舌打ちしたり、 物を投げたり余計に暴れたり、聞く耳を持とうとしません。”
とありましたが、でもこれって「絶対に許さない」と言いつつも、 結局は許してしまっているのですよね。
子供も、「絶対」と言いながら「絶対ではない」ことが わかっているから何度も同じことを繰り返すのです。
「絶対」をおやりにならないのでしたら、それを言ってはいけません。(それってただの脅しでしかないからです)
親としては「すぐにでもやめさせたい」とは思いますが、 それよりもまずは「お母さんは、そんな風に呼ばれるのは嫌」と、子供に伝え、
子供がそうやって乱暴な言葉や暴力で親を従わせようとしても「絶対に屈しない」「絶対に言いなりにならない」という態度を示すのが一番だと思います。 (この「絶対」はできるはずです)
「お前」「クソ」「バカ」と言うようなら、 「お母さんは、そんな風に呼ばれるのは嫌なの」と言って、 相手にしない(完全に無視)で結構です。
叩いたり蹴ったりするようであれば、子供から離れるのですね。
言葉で説得したり、理解させようとしても、“目を合わせずヘラヘラしていたり、「聞こえない」と言い耳を塞いだり舌打ちしたり、 物を投げたり余計に暴れたり、聞く耳を持とうとしません。”とあったように、子供の方が何枚も上手ですから、
言葉を使って解らせようとするのではなく、親の態度で子供が感じるようにさせるのですね。
まず、それが子供が親に対して暴言を吐く場合の対処です。
そして次に、下の子に対する暴言・暴力ですが・・・
“妹にも、割とすぐに手が出ます。とにかく短気すぎて ちょっとした事で怒ったり、 自分の機嫌が悪いと、妹が何もしていないのに、八つ当たりのように蹴ったり 強く押したり”
とありましたが、これって長男さんの言い分は聞いてくれていますか?
「とにかく短気すぎて ちょっとした事で怒ったり、 自分の機嫌が悪いと・・・」 と書かれていましたが、もし、そこに娘さんが原因を作っていることがあるとしたら、きちんとそれを聞いてあげる必要があります。
頂いた文面からすると「そんなことでそこまで怒る必要ある?」とお母さんが見ている(最初から長男さんが悪いと見ている)ように感じるのですね。
もしかしたら原因はほんの小さなことかもしれません。
でも、その小さなことであっても原因が娘さんにあるのに、長男さんが怒られるとしたら、本人からすると、それって理に合わないのですね。
なので、長男さんが怒ったり、乱暴なことをするのでしたら、それを叱るよりも先に、まずは長男さんの言い分を聞いてあげてほしいのです。
又、その「聞いてあげる」ことで子供は冷静になって、理由を話すでしょうし、親もそれを真剣になって聞いてあげることで、話をすべき時にも落ち着いて話してあげられると思います。
もし、原因が妹にあったら「そうだったんだね。それは嫌だったね」などと言ってあげることで子供は「頭ごなしに叱られるわけではない」と理解もします。
まずは「乱暴だから」という先入観を捨てて、それを直そう、させないようにしよう、とするのではなく、どうして怒っちゃったのか理由を聞く、子供に自分の思いを話させる・・・
それによって子供の態度は変わってくると思いますし、「何もしていないのに八つ当たりのように・・・」 は減っていくと思います。
ココまで・・・
上記のようにお返事をした後、ひよこさんは、長男さんの怒る理由を聞くことをしてみました。そうしたらやはり今までと違った結果になったそうです。
ココから・・・
おはようございます。
昨日は、お返事のメールをありがとうございました。こんなに早くお返事をいただけるとは思っていませんでした。お忙しい中、ご丁寧にお教えいただき ありがとうございました。
お返事を拝読し、自分の事を少し客観視できました。うわー、私ってこんな矛盾した事やっていたんだ・・・と反省しました。
子供の言動に対して「絶対に許さない」と脅しのように言い、結局は許してしまっている。この場合の「絶対」は使うべきではないんだとわかりました。
他にも自分が気付かないうちに無意識に矛盾した事を口走っていたのかと思うと、恐ろしくなります。もっと責任を持って言葉を発しなければいけないと思いました。
乱暴をやめさせよう 直させようとするのではなく、どうして怒っちゃったのか、子供の言い分や気持ちをよく聞く事。あれこれ言わず これに徹しようと思いました。
自分に対して乱暴された時は、やめさせよう!と大人げなくムキになってしまって言葉や力で抑えつけようとしてしまってしまいました。
妹に対しての乱暴も 全く妹に非がないわけではないかもしれない、私から見たら小さな事でも お兄ちゃんにとっては 譲れない大きな事かもしれない、
私はもっともっと子供達をよく見てよく聞き、気持ちを汲み取る努力をしなければならないなと思いました。
昨日の夕飯の時も、そういう状況になりました。
テーブルの上にお兄ちゃんが(新幹線の形をした)箸を何本か並べて置いてあり 、妹がそれを使ってご飯を食べたのです。
お兄ちゃんは怒って妹から箸を取り上げ叩きました。妹は「わーん」と泣きました。
お兄ちゃんは、駅のホームに見立てて 新幹線の箸を並べて飾ってあったから、それを勝手に崩され使われて嫌だったみたいです。
いつもなら私は そこまで気が回らず「貸してあげなよー」としか言っていなかったかと思いますが、昨日はまず「どうして怒っちゃったの?」とお兄ちゃんの言い分を聞きました。
そして「○○がキレイに並べてあった箸、崩されて勝手に使われたら嫌だよね。せっかく駅のホームみたいに並べてあったのにねぇ。」と言いました。
でもまだ怒ってむくれていました。
今度は妹に、「○ちゃんも このお箸使いたかったんだね。でもお兄ちゃん、キレイに並べてあったの崩されちゃったのが嫌で怒れちゃったみたい。
○ちゃんも もし自分がせっかくキレイに並べたの崩されたらどう?嫌な気持ちになるよねぇ?だから、お兄ちゃんの使いたかったら 貸りてもいいか聞いてみようか」と話していたら、
お兄ちゃんが箸をスッと差し出して「いいよ、貸してあげる」と言いながら5膳くらいあった箸を全部貸してくれました。
2人とも笑顔になれました。それを見て私も笑顔になりました。
「お兄ちゃんさすがー!優しいーー!ありがとう!お母さん嬉しい!」と嬉しい気持ちを伝えました。
こういう事を少しずつ積み重ねていきたいと思いました。その後もお兄ちゃんは、就寝するまで機嫌が良く穏やかでした。
これから教えていただいた事を根気よく継続してやっていきます。また、悩みがある時はご相談させて下さい。そして良い変化、嬉しい出来事などがありましたら ご報告させて下さい。
どうもありがとうございました。
ココまで・・・
もともと、お兄ちゃんのお母さんへの言動、妹さんへの乱暴が気になっていたひよこさん。
叱っていても、お兄ちゃんの態度はさらに悪くなるばかり・・・そんな中で、お兄ちゃんを叱るだけでなく、お兄ちゃんの気持ちも聞いてみる。解ってあげる・・・と試した結果、
1年経ってみると、(冒頭のご報告にありましたが)相手の事を考えて自分を抑えることができるようにもなったそうです。
ひよこさんの言葉にも「理不尽な事でも自分の思いを通そうとしていた子が、自分の思いを我慢して他人の思いを汲み取って行動できるようになってきたのは、すごい成長だなと思いました」と書かれていましたね。
そして、私が何よりすごいな♪と思うのは、持久走大会などで自分で目標を作り、自主練習などもして実際にその目標を達成してしまう・・・などが1年生でできたことです。
多分、叱るばっかりでしたら、難しかったのではないかな?と思うのですね。
今は、卓球に興味を持って、経験者のお父さんと一緒に頑張っているみたいですね♪いろんな事にチャレンジするその姿勢、とても頼もしいです(^^)
貴重なご報告、そしてメルマガ掲載へのご許可、ありがとうございました。
【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。
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