第968号 学校に行きたくない
こんばんは。パピーいしがみです。
新学期が始まって約半月。ちょうど今の時期は「幼稚園に行きたくない」や「学校に行きたくない」と言い出す子供たちが増えて、相談件数も非常に多くなっています。
特に、今までお母さんといっしょにいたお子さんが、初めて「幼稚園」や「保育園」に入る時などのように、初めての親子分離を経験する際、
子供がなかなか慣れなくて「行きたくない」「離れたくない」と子供に泣かれてしまい、お困りになるお母さんが多いです。
一番多いケースは、弟や妹がいるご家庭で「なぜ自分だけが幼稚園に行かなければならないの?」と号泣することです。
これは本人の気持ちになってみると良くわかりますが、弟や妹はお母さんといっしょにいられるのに、自分だけ幼稚園に行かなければならない。
「なぜ僕だけ離ればなれにならなければいけないの?」と思うのですよね。
特に今まで、あまり親と離れた経験がない子であればなおさらです。
そう言う私の子供もそうでした。
私の子供は、長男・長女・次女と3人兄妹でしたが、長女はお母さんといっしょにいるのに長男だけ幼稚園に行かねばならない、という状況が理解できず、本当に長い事(夏ぐらいまで)親子分離ができませんでした。
ですが、号泣しても幼稚園に預け、毎日決まった時間にお迎えに行く・・・それを毎日繰り返す事で、子供はだんだん、そのパターンに慣れていきます。
当初は一日中泣いていた子供も、周りの子供達が思い思いに遊んだり、慣れていく様子を見ながら、泣いている時間が少しずつ減り、だんだん落ち着く事ができるようになります。
幼稚園は怖いところではないんだな、先生は優しくてお母さんの代わりをしてくれるんだな、みんな泣いていないのに僕だけ泣いているのはおかしいな・・・そんな雰囲気を察知しながら慣れていくのですね。
お母さんとしては、泣いている我が子を幼稚園に置いて帰るのはとても辛いと思いますが、
お母さんが泣いている子供と離れられずにいると、さらに子供は別れがつらくなってしまうので、先生に預けたらサッと帰るようになさるのが子供の為にも最良なのですね。
又、上記は初めて幼稚園や保育園を経験する、という子供たちのケースでしたが、新学期になって年少→年中、年中→年長、とクラスや先生が変わることで「幼稚園に行きたくない」というケースもあります。
これも一つ学年が上がることで、今までと違った雰囲気に不安を感じたり、先生が替わって、少し厳しくなったと感じたり、ウマの合わない子がいたり・・・などなど、それぞれ理由がある場合がありますが、この時にお願いしたいのは「子供の気持ちをよく聞いてあげる事」です。
年中さんや年長さんになれば、不安に感じている事も言葉にできますし、何かトラブルがあるのなら、先生にお話しして力になってもらったり、改善してもらう事もできます。
又「聞いてもらえる」という事で不安も払しょくできる場合がありますからね。
そして、案外多くの方が気付いておられないのが「通園バス」が原因である場合がしばしばあることです。
通園バス。今の幼稚園のほとんどが通園バスを使っているようです。
親も幼稚園がバスでお迎えに来てくれると、とても便利でありがたいのですが、実は子供にとってバスは閉鎖的な空間で「楽しくない」と感じる子も少なくありません。
バスの都合によって、長時間乗せられて酔ってしまう子もいますし、狭い空間を飽きてしまう子もいます。先生の目の届かないところで嫌な思いをしている場合もあります。
そんなバスになじめない、という子供もいますから、そういうケースもあるという事も頭に入れておいてほしいのです。
私としては、できれば是非、道草をしながら親子で通園してほしいな~と思っています。
親と一緒に通園できるのは、幼稚園の時だけですし、できれば幼稚園の道すがら手をつないだり、散歩している人に挨拶をしたり、季節ごとに変わる季節を感じながら親との触れあいの時間を持ってくれたらいいんだけど・・・と思っています。
ただ、現実的には、歩いていけるほどの距離には幼稚園が無かったり、お母さんにそんな時間的な余裕は無かったりするので難しいとは思いますが、そんな時間を共有することができたら、子供にとってとても思い出に残る時間になるだろうな~と思うのですね。
そして幼稚園だけでなく小学校に上がったお子さんが「学校に行きたくない」と言うケースもこの時期とても多いです。
今まで幼稚園や保育園で、何の問題もなかったのに、学校に行く事になっていきなり「学校に行きたくない」と言い出す、という事も少なくありません。
良くあるのが、集団登校での事です。
近所の子供たちでグループになって通学する、という事が多いのですが、2・3年生の男の子にからかわれたり、ちょっかいをだされたり、又、リーダーさんに怒られる、登校スピードに付いていけない・・・という事もあります。
もちろん「幼稚園に行きたくない」のと同じで、クラスに嫌な子がいたり、先生が嫌だったり、みんなとうまくやっていけるか不安・・・なんて事もあります。
子供が「行きたくない」と言う原因は、とても多く、そこかしこにたくさん転がっているのですね。
ですが、そんな時は、子供の話をじっくり聞いてあげてください。
今、子供が「学校に行きたくない」と言うのなら行かせないで・・・と仰る方がとても多くなりました。
確かにどうしても行けない、という状態であれば無理に行かせることが正解ではありません。
ですが、まだ何もしていないうちから「行かなくていい」と結論を出すのは違うと思うのです。まずはじっくり子供の気持ちを聞いてから。
結論を出すのはその後で良いと思うのですね。
特に小さな躓きで「学校に行きたくない」の気持ちが大きくなってしまっているのなら、まずはその気持ちを吐き出させて下てほしいのです。
集団登校で何かあるのなら、しばらく付き添ってあげても良いでしょう。
クラスの中で嫌な子がいるのなら、先生に相談しても良いですし、強い不安を感じているのであれば一緒に授業を受ける、という事だってできると思います。
「こうすれば解決する」という魔法の方法はありませんが、子供の「嫌」な理由を聞いてあげて、親がフォローをしてあげることで、改善することだって少なくないのですね。
あるお母さんは、子供が「学校に行くのが怖い」「一人で授業を受けるのが怖い」と泣くので、先生に許可を頂いて、子供が納得するまで教室の後ろで授業を受けることをされました。
ですが、そんな事をしている親はその方一人だけ。
子供たちからは「どうして○○ちゃんのお母さんだけ毎日学校に来てるの?」と言われたりもしましたが、少しずつ本人が学校に慣れてきたある日、
「お母さん、今日は帰っていいよ」と言われます。
それでも、毎日一緒に登校をしていると「今日は校門まででいいよ」と言われ、
次第に一緒に行く距離が短くなり、最終的には家の玄関で「行ってきます」と言えるまでになりました。
それを「甘い」と言われる方もおられるかもしれませんが「学校に行きたくない」が子供が放つSOSだったら、できるだけ早いうちに親がフォローしてあげて欲しいな、と私は思うのですね。
子供が「学校に行きたくない」と言うのは、季節的にこの4月~5月の1ヵ月間が最も多く、次に夏休みが終わった後の9月。そしてお正月明けの1月にも少しだけあるかな?という感じです。
時期的に起きるものであれば、そこを乗り越えればなんとかなる、という事でもあるんですね。
「学校に行きたくない」と言わず、楽しく通ってくれるのが最高ですが、もし子供から「行きたくない」の声があったら、強制的に行かせるのではなく、
又、すぐに「行かなくていいよ」と結論付けてしまうのでもなく、じっくり話を聞いてあげるようにしてみてくださいね♪
【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。
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