第975号 子供との距離
こんばんは。パピーいしがみです。
各地で「梅雨」に入ったみたいですね。
これからしばらくは、湿っぽいべたべたする日が続きそうです。
食べ物が痛みやすかったり、体調を崩しやすくもなりますので、お気を付け下さいね♪
さて、今日のメルマガは「子供との距離」に悩んでいたNハハさんの例をご紹介したいと思います。
ご相談頂いたのは、現在小学校5年生と2年生の姉妹のお母さんですが、成長して自分の考えを持ち始めた長女さんとの距離をどうしたらよいか?お悩みでした。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。Nハハと申します。パピーさんの講座を勉強させて頂いて約2年になります。
勉強を開始した当時は、小学校3年の長女と幼稚園年長の次女に怒ってばかりで、子育てがうまく行かなくて本当に辛い毎日でした。
ですが「否定より肯定を増やす」「良いところを見つけ伝える」「叱る時は一つだけ」を守り、日々重ねていくと子供たちにも変化が表れ、特に次女の変化はとても速く、表情が豊かになり笑顔が増えて、かなり改善したと思います。
友達関係や、後ろ向きな言動も心配だったのですが、今は積極的な言葉が現れ、多かった登園しぶりもなくなり、小学校では友達もできて、楽しく学校に通えています。
変化は次女だけでなく、長女にも現れてはいるのですが、どうも私と長女との関係が良くならず、今日はそれについてご相談したいと思っています。
パピーさんが、子供の興味がある事や好きな事を肯定してあげると良い・・・と言われている事は、頭では理解しているのですが、長女の「好きな事」に私が嫌悪感を感じてしまっています。
長女の好きな事、とは「マンガ」です。
長女は勉強もできます。学校の運動も困っている訳ではありません。が、とてもマンガが好きで、長女がマンガを一心不乱に読んでいる姿に、私が「気持ち悪い」と思ってしまうのです。
例えば、よくテレビで、マンガの主人公のコスプレをした人たちが出てきたりしますが、その時に「いい年してこんな恰好して・・・気持ち悪い」と感じてしまう、その気持ちが長女にダブります。
それはマンガだけでなく「オタク」と言われる、アイドルやフィギアに夢中になっている大人の男性がテレビで取り上げられたりする時も同じで、違和感や嫌悪感を感じてしまいます。
長女がマンガを読んでいる姿を見るたびに、長女もああなるのでは?・・・と思ってしまい、マンガを読んでいる長女を見ると小言を言って、長女を不機嫌にさせてしまい、
さらに部屋に引き込ませて、長女は口数が少なくなり又、マンガにのめり込む・・・と悪循環になってしまいます。
その度に「又、やってしまった」と反省はするのですが、この小言が止められないのが私の悩みです。
これは私が偏見を持っている、という事は解っています。解っていますが、生理的に感じている嫌悪感なのでそれを取り除くことができずに悩んでいます。
私のこの嫌悪感や先入観が無くなれば、長女の趣味を肯定する事ができて、長女とも良い関係になれると思うのですが、この嫌悪感を取り除く方法があれば教えてほしいです。
ココまで・・・
なるほど、Nハハさんは、ご自分の中にある「気持ち悪い」と感じてしまう部分がどうしても長女さんと重ねて見てしまわれているようです。
「嫌悪感を取り除く」ことができるかどうか?はわかりませんが、私はこんな風にお返事してみました。
ココから・・・
Nハハさん、こんにちは。パピーいしがみです。
なるほど、Nハハさんは「マンガ」に対して、あまり良い印象をお持ちでないようですね。
確かにコスプレイヤーと言われる方々の表現は少し異質で派手でもあり、又、アイドルやフィギアに夢中になっている男性などにも違和感をお感じのようです。
私も、熱狂的なマンガファンやアイドルに夢中になっている大人の方々(「気持ち悪い」とまでは言いませんが)への理解がちょっと難しいのですが、一方で、あれだけ夢中になれるってすごいな、とも思っています。
Nハハさんは「オタク」と呼ばれる方達に良い感情をお持ちでないようですが、でもその方々はある意味、職人気質でもあり、
自分達の好きな部分では貪欲に知識を吸収し、ものすごく能力を高めている人たち、とも言えるのですね。(自分たちが好きな分野にはとてつもなく詳しいです)
そして実は、その方々が次々に時代を作っている、という事はご存知でしょうか?
例えば、AKB48は、アイドルを育てたいという少数の熱狂的なファンから始まり、少しずつその人数が増えて、小さな劇場からテレビに出るようになり、
レコード大賞を取ったり、紅白に出たりして国民的なアイドルになりました。
AKB48からも波及的に沢山のアイドルユニットが誕生し、又、同様なグループも沢山現れてきて、まさに時代のスタンダードとなりつつあります。
マンガの世界もすごい躍進を遂げていて、昨年大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」はマンガからドラマ化された事で有名ですが、
今のテレビで放映され人気の出るドラマは、この“マンガからのドラマ化”がとても多く、これも又、時代のスタンダードになっているんですね。
そしてNハハさんは「君の名は」の映画はご覧になったでしょうか?
こちらはアニメのまま上映して、日本でも大ヒットしましたが、世界的にも大きな記録を達成し、興行収入ランキングでは歴代4位という成績です。
それも、世界中で大ブームを起こした「ハリーポッターと賢者の石」を上回ったというのですから驚きです。
ちなみに第1位は、千と千尋の神隠し、第2位はタイタニック、第3位はアナと雪の女王、と全世界のベスト5の中で、アニメーションが3つ入っているのですね。
とすると・・・マンガやアニメって、とてつもない力を持っていると思いませんか?(^^)
Nハハさんは、ご自分の「偏見」だと仰っておられましたが、これだけマンガやアニメが今の時代を作っているのだとしたら、ちょっとその世界をのぞいてみてもいいのでは?と私は思います。
私も、あまりマンガは見ません。なので「君の名は」も見るつもりはなかったし、興味もなかったのですが、
子供達(もう20代後半~)が「“君の名は”は絶対に見ておいた方が良い映画だよ!」と言うので、テレビ放映を録画し見てみました。
するとその映像の美しさやストーリーの組み立て方に感動すら覚え、その後DVDを借りて見直したほどでした。
一度では分からなかったことが二度、三度と繰り返し見ることで、さらに詳しい内容が分かるようになって「ここにはこういう意味があったのか!!」と謎が解けていく感じに「とてもよくできてるな~」と感心しましたし、
ジブリやディズニーとはまた違う、新しい時代の「とても細かく作り込まれた芸術」なのだと理解しました。
こちらは、映画の小説版もあって、映画よりもさらに詳しく書かれており、小説を読んでから映画を見ると、さらに物語の細かい部分が理解できてとても面白いです。
いかがでしょう?これでNハハさんの嫌悪感が改善するかどうか?はわかりませんが、もしその嫌悪感がNハハさんの「思い込み」だとしたら、
勇気を出して、その扉を開けてみると、案外、楽しさ、面白さを感じて頂けるかもしれません。
ちなみにマンガは、脳科学の世界でも見直されていて、映像を脳で思い描き、ストーリに合わせて動画としてイメージすることが脳の育成にとても良いと言われています。
特に娘さんの場合、勉強もできるようですし、運動も問題ない、という事ですから、ちゃんと自分で時間を区切り、マンガを息抜きとして上手に使っているのだと思います。
でしたら、先入観を持たず、今話題のマンガを読んでみたり、娘さんが良く読む本を読んでみるなどご自分から少し歩み寄ってみることはできないでしょうか?
大好きなものがある子は、その大好きな事を認めてもらえると、急速に距離が縮まります。
せっかく「大好き」なものがある長女さんですから、お母さんの勇気と努力でその距離を縮めて頂きたいな~と思いますがいかがでしょう?
ココまで・・・
こんな風にメールを送りましたら、Nハハさんからは「私よりも年上のパピーさんが、とても柔軟に新しいものを取り入れていると知って驚きました」
「ご指摘頂いたように私の嫌悪感は「食わずぎらい」ですので、自分からもう少しマンガに歩み寄って、娘を理解できるようになりたいな・・・と思います」とお返事頂きました。
そして、その数か月後にこんなご報告を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。
以前、長女のマンガを読む姿に嫌悪感を感じる、とご相談させて頂いたNハハです。
あれから、ちょっと変化があったのでご報告させて頂きます。
パピーさんがお返事に書いておられた「君の名は」は、私も見てはいなかったので、DVDを借りました。
まだ見る前に娘が学校から帰ってきてそれを見つけ、興奮して「これどうしたの?!」と聞くのです。
私は「この映画は見た方が良いって言われたから借りてきたんだけど○○も見る?」と言いましたら、とても喜んで、ご飯の後に子供達と一緒に見ることになりました。
次女は見ているうちに眠ってしまったのですが、長女はとても集中しているのが良くわかりました。
物語の内容もとても良くできていて大人の私が見ても面白い!と思う物でしたし、私自身も引き込まれて時間を忘れてしまうほどでした。
翌日は土曜日だったので、主人と娘達で又、見ていました。時には笑い声を上げて・・・。
思えば、子供が小さいころは、こうやって一緒にDVDを見たり一緒に笑っていたのに、いつのまにかそういう機会が無くなり、私は思い通りにならない長女に小言をぶつけるようになっていたのかな?と感じました。
パピーさんに「娘さんの場合、勉強もできるようですし、運動も問題ない、という事ですから、ちゃんと自分で時間を区切り、マンガを息抜きとして上手に使っているのだと思います」とお返事を頂いたように、
長女は、マンガだけに心を奪われている訳ではなく、ちゃんとすべき事はしていますし、時間の使い方も上手だと思います。
だとしたら「息抜きの時間はあってもいいよな。そこまで私が口を挟んではいけないな」と考えられるようになって、そこからはあまり小言を言わなくなったように感じます。
まだ、私の嫌悪感が完全に無くなったわけではありませんが、私の小言が減ったら長女の態度も少し変わって、会話が少し戻ったかな?と感じています。怒って部屋へ閉じこもる事も今はありません。
思えば、長女も10歳を過ぎて、大人に向かって成長しているんですね。
いつまでも子ども扱いして親の思い通りにしたいと考えていた自分を変えていかなければいけないな・・・と思っています。
パピーさんも、子供の変化に合わせて親が自分を変化させていく事が難しい、と言われていましたが、まさにそれを感じています。
が、子供の成長と共に、母も成長しないと!ですね。
今回の事を良いきっかけと捉え、私も子供達との接し方を少しずつ変えていきたいと思います。今回は貴重なアドバイス、ありがとうございました。
ココまで・・・
Nハハさんの先入観が少し変化してくださった様で嬉しく思います。
Nハハさんも言われていましたが、私たちには少なからず、子供たちが自分の思い通りに育ってほしい思いがあります。
それはとても自然な事ではありますが、子供たちも成長し、自分の好みや自分の考えを持つようになります。
その時には、子供たちの好みや考えを認めてあげる事が、子供の成長にはとても大事なんですね♪
そうそう。今回の事で、思い出したことがありました。
箱根駅伝を四連覇した青山学院大学で、その主力選手として活躍していた下田裕太選手ってご存知でしょうか?
下田選手は、3年連続区間新記録を樹立して、東京マラソンでも好成績を残したアスリートですが、とてもアニメ好きで有名です。
まだ下田選手が青山学院にいる時、寮の部屋にもポスターを貼っていて、一見異質だったのですが、監督の原晋(はらすすむ)さんは、それを一切咎めず、あたたかく見守っていたのが印象的でした。
好きなものは、頑張った後の癒しになったり、又、頑張ろう!と思う原動力にもなったりするんですね♪
子供たちの「好きなもの」があったらすばらしい事。是非、親はそれを理解してプラスに導いてあげてほしいな♪と思います(^^)
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